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「特別養護老人ホーム」とは

要介護3~5の高齢者があらゆる生活・介護サービスを受け、最期のときまで安心して入居できるのが、「特別養護老人ホーム」です。

「特別養護老人ホーム」のおもな特徴

「特別養護老人ホーム(特養、介護老人福祉施設)」は、地方自治体や社会福祉法人が運営する、いわば「公的な老人ホーム」です。寝たきりや認知症などで常時介護が必要になり、自宅での生活が難しい方が入所できる施設で、食事、入浴、排泄といった生活全般にわたる介護を24時間受けることができます。また、原則として要介護3以上という入所条件があります。

特別養護老人ホームの最大の利点と言えるのが、その費用の安さ。民間型の老人ホームと違い、入居一時金は不要で、月額費用も10万円前後で済むのが一般的です。長期入所が可能なので、高度な医療ケアが必要にならない限り、最期まで住み続けることができます。重度の要介護者が入所するという性格上、手厚い介護が受けられるのも特徴のひとつです。

一方で、入所難易度が高いという大きな課題も。全国に6,500施設以上があるのですが、入所待機者は50万人を超えるといわれており、入所までに1~5年程度の待機期間が必要になるケースが多いようです。また、医療ケアに弱いという側面があり、一定以上の医療処置を必要とする方は入所を断られたり、退所が必要になることがあります。

「特別養護老人ホーム」のメリット・デメリット

メリット
  • 入居時費用は無料、月額費用も10万円程度と、費用が安い
  • 要介護度が高くても、手厚い介護が受けられる
  • 長期入所が可能で終のすみかになる
デメリット
  • 入所難易度が非常に高く、1年以上の待機期間があるのが一般的
  • 医療ケアが限定的で、一定以上の処置が必要な場合は退所が必要になることがある
  • レクリエーションやイベントは充実していない

「特別養護老人ホーム」の入居基準と費用

原則、要介護3以上の方が優先度順に入所する

特別養護老人ホームの入所基準は、原則、要介護3~5で65歳以上の方となっています。ただし、これはあくまで基本的な基準。詳細は自治体、施設ごとに異なりますが、入所申込者の要介護度、自宅での介護状況などに応じて優先度が決められ、優先度の高い方から順に入所できるというのが一般的な形です。

また、日常的な医療ケアが必要になったり、長期の入院が必要になると、退所しなければならないケースもあります。特別養護老人ホームは、介護が必要な高齢者が暮らす住まいであり、医療面はあまり充実していないと覚えておきましょう。

■入居・入所できる人
年齢 65歳以上 認知症 対応
介護レベル 要介護3~要介護5 共同生活 必須
※一般的な目安を記載しています。詳細は施設及び入居者の状況によって異なります。

入居時費用は無料、月額費用も非常に安い

特別養護老人ホームに入所するための費用は、民間の老人ホームに比べて、とにかく安いのが特徴です。入居一時金は必要ありませんし、月額費用も10万円前後で済むのが一般的です。また、費用の負担軽減措置が設けられており、年金などの所得が少ない方は住居費や食費の減免受けることができます。

月額費用として計上されるのは、介護サービス費(「介護老人福祉施設入居者生活介護」の自己負担分)と、住居費、水道・光熱費、食費、生活費など。住居費、いわゆる部屋代は、居室の形態によって異なり、「相部屋(従来型多床室)」は約10,000円、「従来型個室」は約40,000円、「ユニット型個室」は50,000円程度が目安です。ちなみにおむつ代も施設サービス費に含まれています。

■入居・入所にかかる費用
入居・入所時費用 0円 月額費用 約50,000円~15万円
※一般的な目安を記載しています。詳細は施設及び入居者の状況によって異なります。
■月額費用の内訳
介護サービス費 【1割負担】
約10,000円~28,000円
【2割負担】
約20,000円~58,000円
住居・管理費 約20,000円~60,000円
食費 41,400円 その他 約5,000~10,000円
※一般的な目安を記載しています。詳細は施設及び入居者の状況によって異なります。 ※介護サービス費(1~2割負担)は、介護保険の支払上限額を示しています。上限を超えた分の費用や払い戻しに関しては考慮していません。 ※住居費・管理費には家賃、光熱費、水道料金等が含まれます。 ※その他には消耗品費、医療費等が含まれます。

「特別養護老人ホーム」の介護・医療と居住環境

生活・介護サービスは充実しているが、医療面は限定的

特別養護老人ホームが行うサービスは、食事の提供、掃除・洗濯をはじめとする生活援助から、介護・看護職員による入浴、食事、排泄などの介助、機能訓練指導員によるリハビリなど多岐にわたります。自宅で介護生活が送れない高齢者が必要とするサービスはすべて提供されると考えていいでしょう。

また人員面において、介護・看護職員が入居者3人に対して1人以上、機能訓練指導員1人以上などといった義務付けがあるため、安定した介護・看護サービスが受けられます。ただし、医療ケアに関しては健康管理や保健衛生を主体とするケースがほとんど。「たんの吸引」「胃ろう」「経管栄養」「褥瘡」などの日常的な医療ケアには対応していないのが一般的です。

■人員配置
介護職員 3:1以上(常勤) 看護職員 1人以上(常勤)
医師 施設によって異なる その他 生活相談員、機能訓練指導員、栄養士など
※一般的な目安を記載しています。詳細は施設及び入居者の状況によって異なります。
■提供される生活援助・介護サービス
食事提供 掃除・洗濯
見守り・生活相談 買い物代行
食事介助 入浴介助
排泄介助 着替え介助
機能訓練(リハビリ) レクリエーション
※◎:ほとんどの施設が提供/非常に充実、○:多数の施設で提供/充実、△:施設によって異なる、▲:少数の施設で提供/あまり充実していない ※一般的な目安を記載しています。詳細は施設及び入居者の状況によって異なります。
■提供される医療サービス
医療ケア 服薬管理
医療機関との連携 通院時の送迎
※◎:ほとんどの施設が提供/非常に充実、○:多数の施設で提供/充実、△:施設によって異なる、▲:少数の施設で提供/あまり充実していない ※一般的な目安を記載しています。詳細は施設及び入居者の状況によって異なります。

生活設備は共有、居室は「ユニット型個室」が増加中

特別養護老人ホームでは、キッチン、トイレ、浴室などの生活設備は、基本的にすべて共有となっています。居室内にこれらの生活設備が備わっていることはありません。また、食堂やリビングも大きなものを共有して利用する形です。

居室の形態は、ひとつの部屋を2~4人で利用する「相部屋(従来型多床室)」、ひとつの部屋にひとりで生活する「従来型個室」、個室と10人程度が共有する生活設備がセットになった「ユニット型個室」の3タイプに分類されます。現在、「相部屋(従来型多床室)」や「従来型個室」から、プライベートの確保と他の入居者との交流を両立できる、「ユニット型個室」を備えた、「新型特養」への移行が進められています。

■生活設備
居室の種類 相部屋/個室/ユニット型個室 居室の広さ 10.65平米~
浴室の場所 共有 浴室設備 通常浴室/機械浴
トイレ 共有 キッチン 共有
食堂・リビング 共有 洗濯室 あり
娯楽設備 あり 理美容設備 なし
※一般的な目安を記載しています。詳細は施設及び入居者の状況によって異なります。
■介護・医療系の設備
機能訓練室 施設によって異なる 健康管理・相談室 あり
※一般的な目安を記載しています。詳細は施設及び入居者の状況によって異なります。

「特別養護老人ホーム」の入所難易度

待機者数は50万人以上、1年以上の待機期間も当たり前

特別養護老人ホームの入居難易度は、非常に高い状況が続いています。「平成25年介護サービス施設・事業所調査の概況(厚生労働省)」によると、全国に6,500施設、定員は約48万人となっているのですが、待機者数はその定員を上回る50万人以上といわれています。そのため、入所の申込みをしてから1~5年も待たされてしまうケースが一般的なのです。

また、申込み順ではなく、施設介護の必要性に応じた優先度順に入所が行われるため、優先度が低いと判断されると、いつまでたっても入所できないという可能性も考えられます。

特別養護老人ホームについて

老人ホーム・介護施設の比較一覧

介護でお悩みの方なら「介護ガイド」。各高齢者向け住宅の説明や介護保険制度のこと、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の入居までの段取りガイドなどをご紹介します。

老人ホーム・介護施設の種類 費用の目安 入居条件 終の
すみか
初期費用 月額 自立 要支援 要介護 認知症
民間型 介護付き有料老人ホーム 0~数千万円 15万~35万円
住宅型有料老人ホーム 0~数千万円 15万~35万円
サービス付高齢者向け住宅 大半が敷金のみ 13万~25万円
※食事など除く
グループホーム 0~30万円 13万~20万円
シニア向け分譲マンション 数千万~1億円 5万~20万円
※食事など除く
公共型 特別養護老人ホーム なし 6万~15万円
介護老人保健施設(老健) なし 8万~20万円
介護療養型医療施設(療養病床)
※2024年3月末には廃止
なし 8万~20万円
ケアハウス(軽費老人ホーム) 0~数百万円 8万~15万円
受け入れ可 要相談 不可
■記事作成・監修 シニアのあんしん相談室
シニアのあんしん相談室 「シニアのあんしん相談室」は高齢者住宅の相談窓口。介護の知識に長けた専門の相談員が、納得できる施設選びをサポートします。介護ニュースでは、介護に関する最新情報をはじめ、医療や健康に関連するニュースを定期的に発信しています。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)
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