介護施設と老人ホームの3つの違いをわかりやすく解説!
2024.2.19
この記事の監修者:さとひろ
介護系の専門学校を卒業後、特別養護老人ホームに勤め介護職員やケアマネジャーを経験。資格取得のための研修講師や新規施設の開設にも携わる。現在は生活相談員として、入所調整や家族対応、行政対応や請求業務などを担っている。 2022年からライターとしての活動。複雑な介護業界の制度をわかりやすく解説します。 保有資格:社会福祉士、公認心理師、介護支援専門員、介護福祉士など
■この記事でわかること
- ・介護施設と老人ホームの違い
- ・介護施設や老人ホームの種類
- ・各施設の入居条件、費用
介護施設と老人ホームの違い
まずは、介護施設と老人ホームの違いを見ていきましょう。
介護施設とは、高齢者が介護サービスを受けながら暮らす施設のことを指します。一方、老人ホームとは、高齢者が何らかのサービスを受けながら暮らす施設の総称です。
つまり、老人ホームという大きなくくりの中に、介護施設も含まれると考えるとよいでしょう。
なお、老人ホームのひとつである「有料老人ホーム」は、次の3つに分類されます。
ここでは、介護付き老人ホームを「介護施設」、住宅型・健康型老人ホームを「老人ホーム」としたうえで、両者の違いを解説していきます。
比較項目 | 介護施設(介護サービスあり) | 老人ホーム(介護サービスなし) |
---|---|---|
施設の種類 |
|
|
入居の条件 | ほとんどの施設で「自立して生活できる方」や「支援が必要な方」は入居できない。要介護者や認知症のある方を対象としているケースが多い。 | 基本的には「自立して生活できる方」や「支援が必要な方」の入居が可能で、要介護者は外部サービスの利用、または要介護者となった際に退去となる。 |
費用 | 初期費用:0~数千万円 月額費用:6万~35万円 |
初期費用:0~1億円 月額費用:5万~40万円 |
有料老人ホームについて詳しい解説は、以下の記事をご参照ください。
有料老人ホームとは|介護付き・住宅型・健康型の違いや特徴、料金・費用について解説
施設の種類
必要な介護サービスによって、選ぶべき施設は異なります。ここでは、介護施設と老人ホームの特徴を、一覧にしてまとめています。
施設の種類 | 施設の特徴 | ||
---|---|---|---|
介護施設(介護サービスあり) | 民間施設 | 介護付き有料老人ホーム | 自立している方から要介護者まで入居可。施設に常駐する職員が食事や掃除といった生活を支援する。 |
グループホーム | 認知症と診断された方が、少人数で共同生活を送る施設。家事や買い物などの生活支援と必要な介護を提供する。 | ||
サービス付き高齢者向け住宅(介護型) | 特定施設入居者生活介護の指定を受けたサービス付き高齢者向け住宅。必要に応じて施設スタッフが介護を提供する。 | ||
公的施設 | 特別養護老人ホーム | 原則要介護3以上で常時介護が必要な方が入所する施設。食事や排泄、入浴、その他日常生活で必要な支援を提供する。 | |
介護老人保健施設(老健) | 病気やけがなどで入院後、在宅復帰を目指すための施設。原則3ヶ月を目安にリハビリや必要な介護を提供する。 | ||
介護医療院 | 長期療養が必要な要介護者が生活をする施設。24時間の医療的ケアや介護を提供する。 | ||
ケアハウス(軽費老人ホーム) | 身の回りのことができても一人暮らしは不安という方が生活する施設。食事や入浴、その他生活支援を提供する。 | ||
老人ホーム(介護サービスなし) | 民間施設 | 住宅型有料老人ホーム※介護が必要な場合は外部サービスを利用 | 食事の提供、掃除などの生活支援を提供する施設。介護量が多くなると退去せざるを得なくなる場合がある。 |
健康型有料老人ホーム | 自立している高齢者が生活する施設。健康維持のためにジムや温泉などの設備が充実しているが、介護が必要になると退去しなければならない。 | ||
サービス付き高齢者向け住宅(一般型))※介護が必要な場合は外部サービスを利用 | 高齢者が安心して暮らせるよう、安否確認と生活相談サービスを提供する、バリアフリーの賃貸住宅。 | ||
シニア向け分譲マンション※介護が必要な場合は外部サービスを利用 | 充実した老後を過ごすために購入する、バリアフリーの高齢者向けマンション。売却や賃貸、リフォームも可能。 |
介護施設には介護が必要な方が入所し、施設のスタッフが介護サービスを提供します。
一方、老人ホームに入居するのは、原則として介護を受ける必要のない方です。
老人ホーム入居中に介護が必要になった場合は、施設のスタッフではなく外部の事業所からサービスを受けることになります。
介護施設、老人ホームの種類についての詳しい解説は、以下の記事を参照してください。
老人ホーム・介護施設の種類
入居の条件
介護施設や老人ホームでは、制度や施設の体制によって対応できる利用者の特徴が異なるため、入居の条件を設定しています。
上記で紹介した施設ごとの特徴のように、自立して生活できる方から要介護者まで幅広く入居できる施設もあれば、要介護者だけを対象としている施設もあります。
施設ごとの入居条件について、以下の表にまとめているので確認してください。
施設の種類 | 入居条件 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
自立 | 要支援 | 要介護 | 認知症 | |||
介護施設(介護サービスあり) | 民間施設 | 介護付き有料老人ホーム | △ | 〇 | 〇 | 〇 |
グループホーム | ✕ | △ | 〇 | 〇 | ||
サービス付き高齢者向け住宅(介護型) | ✕ | △ | 〇 | △ | ||
公的施設 | 特別養護老人ホーム | ✕ | ✕ | 〇 | 〇 | |
介護老人保健施設(老健) | ✕ | ✕ | 〇 | 〇 | ||
介護医療院 | ✕ | ✕ | 〇 | 〇 | ||
自立型ケアハウス(軽費老人ホーム) | 〇 | 〇 | △ | ✕ | ||
介護型ケアハウス(軽費老人ホーム) | ✕ | ✕ | 〇 | △ | ||
老人ホーム(介護サービスなし) | 民間施設 | 住宅型有料老人ホーム※介護が必要な場合は外部サービスを利用 | △ | 〇 | 〇 | △ |
健康型有料老人ホーム | 〇 | 〇 | ✕ | ✕ | ||
サービス付き高齢者向け住宅(一般型))※介護が必要な場合は外部サービスを利用 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | ||
シニア向け分譲マンション※介護が必要な場合は外部サービスを利用 | 〇 | △ | △ | ✕ |
介護施設は、介護サービスを提供する施設のため、基本的に要支援・要介護状態の方が対象です。
老人ホームの場合は自立や要支援の方が主な対象で、介護が必要な場合は、外部の事業者のサービスを利用するといった条件付きでの入居になります。
【監修者コメント】
同じ種類であっても、施設ごとに条件が異なる場合があります。実際の入居条件は、それぞれの施設への確認が必要です。
費用
介護施設や老人ホームの初期費用、月額利用料は施設ごとに異なります。以下の表にまとめているので確認してください。
施設の種類 | 費用区分 | |||
---|---|---|---|---|
初期費用 | 月額 | |||
介護施設(介護サービスあり) | 民間施設 | 介護付き有料老人ホーム | 0~数千万円 | 15万~35万円 |
グループホーム | 0~30万円 | 13万~20万円 | ||
サービス付き高齢者向け住宅(介護型) | 大半が敷金のみ | 13万~25万円※食事など除く | ||
公的施設 | 特別養護老人ホーム | なし | 6万~15万円 | |
介護老人保健施設(老健) | なし | 8万~20万円 | ||
介護医療院 | なし | 8万~20万円 | ||
ケアハウス(軽費老人ホーム) | 0~数百万円 | 8万~15万 | ||
老人ホーム(介護サービスなし) | 民間施設 | 住宅型有料老人ホーム※介護が必要な場合は外部サービスを利用 | 0~数千万円 | 15万~60万 |
健康型有料老人ホーム | 0~数千万円 | 10万~40万 | ||
サービス付き高齢者向け住宅(一般型))※介護が必要な場合は外部サービスを利用 | 大半が敷金のみ | 13万~25万円※食事など除く | ||
シニア向け分譲マンション※介護が必要な場合は外部サービスを利用 | 数千万~1億円 | 5万~20万円※食事など除く |
介護施設と老人ホームの費用を比較すると、介護施設の方が全体的に費用が安い傾向があります。
なぜなら、介護施設の場合、要支援や要介護の認定を受けて利用すれば介護保険が適用されるからです。
介護保険が適用されれば、自己負担はかかった介護費の1〜3割になります。例えば、介護費が5万円だった場合の自己負担額は5,000〜15,000円です。
一方、老人ホームで要支援や要介護認定を受けずに外部の介護サービスを利用しようとすると、介護保険が使えず、全額自己負担になってしまいます。
外部のサービスを利用した分だけ自己負担も増えるため注意が必要です。
【監修者コメント】
介護はいつまで続くかわからないものです。本人だけでなく、家族の生活も守れるよう、予算に合った施設を選びましょう。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)
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