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認知症の人との接し方のポイントと注意点|施設利用などについても紹介

2021.9.27

認知症の人との接し方のポイントと注意点

家族が認知症になって接し方に戸惑ってしまったという人は、おそらく少なくないかと思います。認知症による症状によっては、直前のことを覚えていなかったり、これまでできていたことができなくなったり、あるいは暴力的な言動が見られたりするケースもあります。
しかし、認知症の人の行動には、法則が見られます。そこで、認知症の症状について触れた上で、認知症の人に対する家族の接し方のポイントなどを紹介します。

認知症の種類

認知症とは、さまざまな原因によって脳の細胞が死滅したり、働きが悪くなったりすることで、記憶や判断力といった認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態になることをいいます。認知症の種類によっては、治療によって進行を遅らせることができる可能性があり、また、限られてはいるものの、治療によって改善が見られるものもあります。

認知症の多くは、「三大認知症」と呼ばれるものが代表的です。

<三大認知症>
  • ・アルツハイマー型認知症
  • ・レビー小体型認知症
  • ・脳血管性認知症

「アルツハイマー型認知症」は、認知症の中で最も多く、特殊なタンパク質が脳にたまることで神経細胞が死滅していき、記憶をつかさどる「海馬」という部分から脳の萎縮が進行していきます。「レビー小体型認知症」は、脳の神経細胞に「レビー小体型」という特殊な物質ができることで、神経細胞が死滅することによって起こります。「脳血管性認知症」は、脳梗塞や脳出血といった脳血管疾患が原因で起こります。

アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症については、根本治療はできないものの、薬によって症状の進行を抑えたり、症状を軽減したりすることができるケースもあります。また、脳血管性認知症は、脳血管障害の再発による進行を防ぐため、生活習慣の改善や薬による治療が行われます。

この他、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍による認知症は、治療によって改善する可能性があります。

認知症の症状

認知症による症状は、主に「中核症状」と「周辺症状」の2つに分けられます。中核症状は、脳の細胞の死滅や萎縮などによって、直接引き起こされる症状です。周辺症状は、中核症状から引き起こされる二次的症状です。中核症状は、認知症患者のほとんどの人に見られるのに対し、周辺症状には個人差があります。

  • ・中核症状・・・記憶障害、見当識(けんとうしき)障害、実行機能障害、判断力障害
  • ・周辺症状(BPSD)・・・徘徊、抑うつ、幻覚、妄想、失禁、弄便(ろうべん)、睡眠障害、暴言、暴力

このうち「見当識障害」は、現在の日付や季節、自身のいる場所が分からなくなる障害です。
また、「弄便」は、自分の便をいじって、体、衣服、壁などに付けてしまうことをいいます。

家族の接し方のポイント

家族が認知症になった場合には、どのように接したら良いのでしょうか。認知症の人に対する家族の接し方のポイントとして、次の3点から見ていきます。

  • ・認知症の人を理解し付き合い方を考える
  • ・認知症の人の行動の法則を知る
  • ・認知症ケア方法「ユマニチュード」

認知症の人の行動には理由があり、本人も言動をコントロールできない状態をどうにかしたいと考えていることが多いため、気持ちを理解し、行動することが大切です。
認知症の人の行動の法則を知っておくことで、行動を理解し、対応しやすくなります。新しい認知症ケア方法の「ユマニチュード」は、実践すると認知症の人が穏やかに過ごせるようになる効果があるとされています。

■認知症を理解し付き合い方を考える

認知症によって、直前の行動を忘れていたり、同じことを繰り返して話したり、あるいは暴力的な言動をしたりするのを家族が目の当たりにしてしまうと、戸惑うことがあるかもしれません。
しかし、認知症によって、これまでと性格や雰囲気が変わっていたとしても、本人も言動をコントロールできない状況をどうにかしたいと感じていることが多いです。認知症の人の言動に対して厳しく接すると、悪化を招いてしまう恐れがあります。認知症の人の気持ちを尊重した付き合い方をするように心掛けましょう。

■行動の法則を知る

認知症の人には、よく見られる行動の法則があります。それをあらかじめ知っておくことで、どのように接すれば良いのか、対応の仕方の参考となります。

  • ・身近な人に対して甘えなどから症状が強く出る
  • ・認知症の症状と正常な状態がまだらに表れる
  • ・強いこだわりがあってかたくなになる
  • ・強く言うと強く反応する
  • ・記憶にないことは事実にないと理解している
  • ・「もの盗られ妄想」にとらわれる
  • ・強く対応すると強い反発を招く

それでは、実際に認知症の人に対して家族はどのように接すれば良いのか、3つの例を基に紹介します。
認知症の人は、食事を取ったことなど直前の出来事を忘れてしまいやすいため、周囲の人は、状況を具体的に説明したり、軽い食べ物を用意して要望に応えたりします。「もの盗られ妄想」にとらわれた時には、寄り添うとともに、本人が見つけられるよう誘導していきます。突然攻撃的な性格になった場合は、何か理由があるため、落ち着いたタイミングで話を聞くことが大切です。

認知症の人に対しては、誤りを指摘したり、否定したり、叱りつけたりするのは避け、寄り添う姿勢で穏やかに接するのが基本です。

【直前の出来事を忘れている】

<原因と対応策>
認知症の人は、直前の出来事を忘れてしまいやすく、特に目立つのは、食事をしたばかりなのに「ごはんはまだ?」というケースです。これは、記憶障害により現在に近い記憶ほど消えていきやすいことに加え、満腹中枢の障害によって満腹感が得られにくいことが原因です。
注意をすると、「いじめられている」と受け取られやすいため、状況を具体的に説明する、健康に害のない範囲内で要望に対応するといった対策を取ります。

<NGな対応例>
  • ・「さっき食べたばかりでしょう」など否定する言葉をかける
  • ・気が済むまで食事を出すなど、健康を考慮せずに要望をそのまま受け入れる

<有効な対応例>
  • ・「今、14時ですね。12時のお昼ごはんに食べたおそばはおいしかったですね」と時計を指しながら、状況を具体的に伝える
  • ・「今、準備していますよ」と伝えて、フルーツやおにぎりなどの軽いものを出す
  • ・1日3食ではなく、1食当たりの量を減らし、食事を数回に分けるようにする


【もの盗られ妄想】

<原因と対応策>
認知症の人は、「(家族の○○に)財布を盗られた」など、財布などの大切な物が盗まれたと急に言い出すことがあります。これは「もの盗られ妄想」といわれるもので、認知症による記憶障害で物をどこに置いたか忘れたり、日頃の介護の不満などから被害妄想が膨らんだりすることが主な原因です。
「もの盗られ妄想」にさいなまれている時の本人は、パニック状態に陥っているため、正常な判断ができません。また、家族に頼りたいけれど、頼れない気持ちになっていることが多いです。そこで、共感する言葉をかけるとともに、物を盗った犯人と思われないよう、本人が自身で見つけられるように誘導していきます。

<NGな対応例>
  • ・「盗ってない」と怒鳴りつける
  • ・妄想だと叱りつける
  • ・無視をする

<有効な対応例>
  • ・「○○に置き忘れたのかもしれませんね」と寄り添う
  • ・「一緒に探しましょう」と声を掛ける
  • ・「○○の中を見てみましょう」と促す


【突然攻撃的な性格になる】

<原因と対応策>

認知症の人は、家族がいつもと同じように接していても、突然大声を出して暴力的な言動を取ることがあります。家族からすると、理由があるとは思えないかもしれませんが、自分が伝えたいことをうまく伝えられなかったり、日頃からの不満がたまっていたり、あるいは不安な気持ちが暴力的な言動につながったりするのが主な原因です。
まずは、気持ちが落ち着くのを待って、怒りを覚えた理由や不安に感じていることを聞くなど、寄り添うようにしましょう。

<NGな対応例>
  • ・「なんでそんなことをする」と怒鳴りつける
  • ・力づくで押さえ付けようとする

<有効な対応例>
  • ・(落ち着くのを待って)何に怒っているのか、何か不安なことがあるのかを聞く


■認知症ケア方法「ユマニチュード」

認知症ケアの新しい方法として「ユマニチュード」というものがあります。ユマニチュードは、フランスで1979年に生まれたケア方法ですが、日本では2014年頃から啓発されるようになりました。ユマニチュードは、フランス語の造語で、「人間らしさを取り戻す」という意味があり、自由・平等・友愛の精神に基づいたケア方法です。
ユマニチュードによって、認知症で抑うつ状態にある人や暴力的な言動がある人が穏やかになる効果があるとされています。

ユマニチュードには、ケアする相手を大切に思っていることを伝えるための技術である「4つの柱」と、ケアの手順の「5つのステップ」が設けられています。
4つの柱は、「見る」「話す」「触れる」「立つ」です。例えば、「触れる」技術では、「つかむ」という相手の自由を奪う行為をするのではなく、広い面積で触れ、ゆっくりと手を動かすことで優しさを伝えます。
5つのステップは、「1:出会いの準備」「2:ケアの準備」「3:知覚の連結」「4:感情の固定」「5:再会の約束」の5段階で、物語のように手順を踏んでいきます。 例えば、清拭を行う場合には、「1:ノックして入室することの了解を得る」「2:『身体を拭いていきますね』と声を掛けてケアを行うことの合意を得る」「3:清拭を行う」「4:『身体を拭いてさっぱりしましたね』などポジティブな言葉を掛け、良い時間を一緒に過ごしたことを印象づける」「5:『また明日来ますね』と次回のケアを受け入れてもらうための準備をする」という流れになります。

施設の活用もおすすめ

認知症への家族の対応として、介護施設を利用する方法もあります。認知症は進行していくため、在宅介護による家族の負担は次第に大きくなっていきます。認知症の人にとって、環境が変わることによるリスクはありますが、早い段階の方が環境に適応しやすく、施設を利用することによって受けられるケアもあります。特に、施設へ入居する場合には、情報を収集し実際に施設を選んで入居するまでに時間がかかることからも、早めに検討するのが望ましいです。
家族が介護疲れで共倒れしてしまう前に、介護施設など介護の専門家に頼ることを考えてみましょう。

■施設での認知症への対応の仕方

施設への入居によって、総合的なケアを受けることができます。介護施設では、基本的な生活習慣に基づいた生活となるため、栄養バランスの取れた食事を3食提供されます。
また、24時間体制でケアが受けられることから、心身の状態が改善されることもあります。認知症によって無気力状態になる人もいますが、介護スタッフや他の入居者とコミュニケーションを取ることで、生活に刺激を得られます。レクリエーションなどのイベントを通じて、意欲が引き出されることもあります。

また、入居当初は帰宅願望が強いケースもありますが、介護スタッフが気持ちを受け止めながら傾聴するなど、丁寧に対応することで安心して暮らせるように導いていきます。 食堂やリビングルームなどの共用施設には、入居者同士のトラブルを避けるために、1名以上の職員が必ず居るようにしています。食事の際には、1つのテーブルに1名以上のスタッフが就き、介助や見守りを行うのが一般的です。

■認知症対応の施設・サービスの種類

認知症の人に対応している介護施設やサービスには、以下のようなものがあります。

  • ・『特別養護老人ホーム

    原則として、常時介護が必要となる要介護3以上の人が入居できる公的介護施設です。入居一時金が不要で、月額費用が安いのが特徴です。

  • ・『サービス付き高齢者向け住宅

    安否確認サービスと生活相談サービスの提供が義務付けられたバリアフリーの賃貸住宅です。施設スタッフが介護サービスを提供する「介護型」と、外部サービスを利用する「一般型」があり、認知症の人には介護型が向いています。

  • ・『グループホーム(認知症対応型生活介護)

    認知症の高齢者が少人数のユニットで共同生活を送る介護施設です。残された能力を生かして、家事を分担したり、レクリエーションを行ったりすることを通じ、症状の進行の緩和を目指しています。

  • ・『有料老人ホーム

    「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」の3種類があり、入居一時金や月額費用は高めです。介護付き有料老人ホームや一部の住宅型有料老人ホームが認知症に対応しています。

  • ・『認知症デイサービス(認知症対応型通所介護)』

    認知症の人専門のデイサービスです。送迎サービスがあり、朝、自宅まで迎えが来て、食事、入浴、レクリエーションなどのサービスを受け、夕方に帰宅するのが一般的です。

まとめ

認知症によって、例えば食事をしたことを忘れていたり、暴力的な行動を取ったりするようになると、家族が戸惑うのは当然です。しかし、話を否定したり、叱ったりするのではなく、できるだけ穏やかな態度で寄り添って接することが大切です。とはいえ、認知症の人の介護を続けていると、症状も進行していくため、家族の負担が大きくなっていくことが考えられます。

認知症の人の介護は、施設への入居も選択肢となりますが、介護しながら施設を探すには、労力が必要です。そこで、介護施設を探す際には、「シニアのあんしん相談室」の利用がおすすめです。 「シニアのあんしん相談室」では、電話、対面、訪問による相談でヒアリングを行い、心身の状態や希望条件に合った施設の紹介、施設見学の調整を行うなど、入居までのサポートをしています。

■記事作成・監修 シニアのあんしん相談室
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記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)
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