高齢者は食欲不振になりやすい!その原因と対策
2018.7.11
以前「本当は怖い「痩せ」!高齢者がなりがちな低栄養のリスクと対策法とは?」で、高齢者の低栄養のリスクについて紹介しました。今回は、高齢者の低栄養につながる食欲不振がどうして起こるのか、その原因と対策法についてご紹介します。
高齢者の食欲不振の原因
高齢者の食欲が減退することの主な原因には、以下のようなものがあります。
・運動能力の低下
高齢者は、若い方と比べて体力や運動能力が低下します。そのため、日常動作もゆっくりになり、行動範囲も狭くなりがちです。筋肉量も減少しますので、1日に必要とするエネルギーも少なくなり、自然と食欲も減ってしまいます。 また、嚥下機能や咀嚼機能も衰えがちですので、食事に対する不安が大きくなり、食欲不振につながります。
・味覚や嗅覚などの変化
年を重ねるごとに、人間の味覚や嗅覚は変化します。高齢者であれば、その機能そのものが衰えてしまうということもあり、若い頃は好きだった食べ物であっても美味しく感じなくなることがあるものです。食事そのものを楽しめなくなり、食欲不振につながります。
・視力の低下
高齢に伴い、視力が低下します。そのことから、食べ物本来の色合いや、形状が見えにくくなり、「食べたい」という意欲が低下してしまうのです。また、高齢者に発症しやすい白内障になると食べ物が黄色みがかって見えることもあり、食欲不振を招く要因になるとも言われています。
・認知機能の低下
認知症などが原因で、食べ物を見てもそれが食べ物であると判断できなくなることも、食欲不振の原因であると言われています。
・孤独感や不安などによる食欲不振
高齢になると、家族や友人との死別や、施設への入居などの環境変化によるストレスを感じることが多くなります。孤独感や不安はいろいろなことに対する意欲を失わせ、同時に食欲を低下させる要因にもなります。
食欲不振を防ぐための対策
食欲不振だからと言って食事量を減らしてしまうと、必要な栄養素が摂取できず低栄養などの問題につながってしまいます。食欲不振にならないよう、しっかり対策をとるようにしておきましょう。
- ・食べやすい形状にする
嚥下機能や咀嚼機能が衰えている場合は、容易に食べられるよう食材を食べやすい形状にしてあげましょう。できるだけ小さく切ったり、煮込んで柔らかくしたりすることがポイントです。
- ・料理の見た目をよくする
食べやすさを追求するあまり、料理を全部ペースト状にしたり、食材をあまりにも細かく刻んだりするのはマイナス効果になってしまうことがあります。食事は目でも楽しむものです。食材ができるだけ美味しく見えるよう、盛り付け方などに気を付けるようにしましょう。
- ・食事をすることをしっかり伝える
認知機能が衰えている場合、料理を食べ物と認識できないことがあります。そのようなときに、無理に口元へ食べ物を運ぶのは、高齢者にとって「何か分からないものを口に運ばれている」と感じられるものです。食事の前に「これから食事をする」ということをしっかり伝え、口に運ぶものがどのような料理なのか伝えながら食べさせてあげるといいでしょう。
- ・楽しく会話しながら食べる
みんなで一緒に食卓を囲んで食事をすることは楽しいものです。食事の時間が楽しみになれば、自然と食欲もわいてくるでしょう。
すぐにできる対策の一つは「宅配弁当」の活用
栄養や食べやすさを考えて食事の準備をするのが難しいという方におすすめなのは「宅配弁当サービス」です。
高齢者向けの宅配弁当サービスは、やわらかく調理されていたり、魚の骨を取るなど食べやすいよう工夫されています。
また、毎日違うメニューなので、「今日はどんなメニューかな?」と食事に対しての楽しみが生まれやすくなります。
「あんしん相談室‐宅配ごはん案内‐」では高齢者向け宅配弁当サービスの比較や資料請求ができます。
まずはどんな宅配弁当サービスがあるのか探してみてはいかがでしょうか?
食欲不振は低栄養などの問題につながるものです。今回紹介した原因を把握し、しっかりと対策をとるよう心がけましょう。
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記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)