認知症で施設に入所するタイミングは?知っておきたい、基準と時期
2017.4.5
一般的に年齢を重ねるほど認知症になりやすく、徐々に症状も進行していくと言われています。 認知症の場合、最初は軽度なものであっても、徐々に物忘れがひどくなり、次第に在宅での介護が難しくなることも珍しくありません。
ここでは、認知症の場合における施設の入所を考えるタイミングについてご紹介します。
家族が施設の入所を考えるきっかけ
病気や障害を抱える高齢者は多く、年齢とともに症状が悪化することがあります。同じように介護者も加齢とともに体力が落ちていくため負担が増え、介護できなくなっていくというケースもあるのです。
「できれば一緒に生活したい」と考えるご家族が多いものの、次のような理由で施設に入所すべきか迷うこともあるでしょう。
- ・最近介護の負担が大きくなった
- ・日中も介護が必要になるほど症状が進んできた(仕事など都合の上、日中は家にいることが難しい)
- ・認知症が進んできて不安になってきた
など、上記の段階では、デイサービスなどを利用することで介護の負担を軽減できることに期待できます。ただ、少々注意が必要な状態と言えます。
家族が施設入所を考えるべき基準とタイミング
一口に施設といっても現在ではさまざまな施設があります。介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどありますが、それぞれの施設のサービスや入所条件を調べることから始めてしまうと時間がかかってしまいます。
また1つでも条件に当てはまらない項目を見つけると諦めてしまい、結局は在宅介護を選択してしまう方も少なくありません。
認知症の方を介護する上で、まずは「介護者の余裕」を基準に考えてみることをおすすめします。
介護を行う上で、次の3つの項目が当てはまったときが入所を考えるべきタイミングです。
- ・なんとなく私生活が辛い
- ・介護で腰が痛い
- ・疲れが回復しない
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施設入所を決断すべきタイミングは?
人によってストレスや疲労の度合いは異なりますが、次の3つが当てはまったら、施設入所を決断するタイミングと言えます。すぐにケアマネージャーなどの専門家に相談してください。
- 1.生きているのが辛い
- 2.常に介護のことばかり考えている
- 3.自分(介護者)の年齢が50~60代である
上の1と2が当てはまる場合は慢性的な介護疲れ状態で、うつの症状があらわれている恐れがあります。
また50~60代という年齢は更年期に差し掛かっており、更年期障害の症状が重なることで精神的な負担が増してしまう可能性があります。
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いざというときに入所できるように必要なこと
施設への入所を決断したのに、入所できない場合があります。
その理由の1つが介護認定です。
在宅介護をしている方には介護認定を受けていない方も一部います。また要介護者の介護レベルが施設の基準に満たしていないと入所できない場合があるため、事前に把握しておきましょう。
市区町村の役所にある介護保険課や高齢者福祉課などの窓口、あるいは地域包括支援センターで要介護認定の申請書を受け取ってください。申請書は役所のホームページからダウンロードも可能です。
申請書類を出したら、後日訪問調査を受けることになります。基本的に申請をしてから30日以内に要介護度が認定されるのですが、入所を検討する場合は早めに申請を出しておくことが大切です。
認定を受けたときから時期が経っている場合は、認知症の症状が当時より進んでいることが予想されます。この場合はもう一度認定を受けることをおすすめします。
「どんなタイミングで家族を施設に預けるか」は大きな決断です。多くの人が悩むことでしょう。施設に入所するかどうかは、自分たちが介護できるかどうかではなく、介護をする生活が辛いかどうか、介護することに嫌悪感を抱いていないかどうかが大切なポイントです。
大切な家族と平穏な気持ちで接し続けるためにも、限界を迎える前に余裕をもって入所させることが大切です。
シニアのあんしん相談室は、有料老人ホームの入居相談窓口です。
相談したからといって、必ず入居をすすめるものではなく、ご状況を伺ったうえで最適な道を選ぶためのサポートをさせていただきます。在宅介護でもう少し頑張ってみるか、施設に入居するか、迷っている方もお気軽にご相談ください。
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記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)