【在宅介護のお悩み】良い方法はある? 臭いの原因と対策
2016.12.28
在宅介護をしている方の多くが、臭いに悩まされた経験があるのではないでしょうか?
要介護者は毎日お風呂に入ることが難しかったり、トイレまで移動することが困難だったりするため臭いの問題は避けられません。
ここでは、介護する人におすすめの臭い対策をご紹介します。
介護現場の臭いの原因は?
介護の際に感じられる“臭い”は大きく「汗の臭い」「排泄物の臭い」の2つに分けられます。
そもそも、臭いの原因は雑菌です。雑菌は繁殖するときに臭いの分子を発するため、その分子が増えるほど臭いが強くなっていきます。
要介護者は、まめにお風呂に入ることができないだけでなく、ベッドで横になっている時間がどうしても長くなります。さらにベッド内は身体から自然に発せられる汗などの水分で高温多湿な状態である場合が多く、雑菌が増殖しやすい環境になってしまうのです。
特に尿は臭いが残りやすいので、注意が必要です。
例えば、要介護者が自分でトイレに行こうとして、その途中で尿漏れをしてしまうケース。後処理で拭きとれなかったり蒸発して周囲の布製品についてしまったりすると、その場に尿の臭いが残ってしまいます。また寝たまま尿漏れをしてしまい、そのままベッドのマットに染み込んでしまうということもあります。当然マットは丸洗いが難しいため、臭いを取りにくいのです。
おすすめの臭い対策
・シーツ類やパジャマをこまめに洗濯
部屋に臭いをこもらせないためには、シーツを2日に1度は交換するようにしましょう。しかしシーツの交換はかなり手間です。そこで大きめのバスタオルを敷いて1日たったら外し、新たなバスタオルと交換するという方法もあります。洗濯の際は消臭効果のある洗剤を使用してください。
また、パジャマはシーツ以上に汗などのニオイ物質を吸い込んでいるため、毎日洗濯するようにしましょう。
・尿の臭いの染み付きを防ぐ
ベッドから起き上がれずに尿漏れをしてしまったり、おむつをしていても尿を吸いきれずに背中から漏れ、シーツだけでなくマットにも浸み込むこともあります。このような場合には、敷布団・マットとシーツの間に敷く、尿漏れ用防水シーツを使用しましょう。
また尿瓶を使用している場合は、1日1回、次亜塩素酸ナトリウム(家庭にあるものではハイダー)などに漬け置き消毒して乾燥させ、雑菌の繁殖を防ぐと良いでしょう。
・ポータブルトイレ
ご家庭内のお手洗いが要介護者の部屋から遠い場合、ポータブルトイレを使用しているご家庭もあるでしょう。ポータブルトイレで排泄をしたら、10分ほどは換気するように心掛けてください。また、1日に1回の清掃が一般的ですが、水を使わないバケツ式を利用している場合は、可能であれば排泄物はすぐにトイレへ流し、清掃するようにしましょう。バケツの中に水を1cmほど入れておくことで、こびりつきや臭いへの対策になります。
また、脱臭機能のあるものを利用したり、座面や取っ手は除菌タオルでこまめに拭くなどして清潔にすることも大切です。
・おむつの際には消臭スプレー
排泄後はできるだけ早く交換することが大切です。頻繁に交換することもあるため、おむつとインナーパッドを組み合わせることで、手軽にケアができ清潔に保つことができます。インナーパッドを交換する際は、繰り返し利用する外側のパンツに消臭スプレーを噴きかけましょう。予め消臭スプレーをかけておくことで、排泄後のニオイを押さえることができますよ。
雑菌は湿気の多い場所を好むため、介護用のベッドルームはできるだけ風通しが良く、日当たりも良い部屋がおすすめです。
今回ご紹介した方法を実践することは、介護者だけでなく要介護者本人にとっても居心地の良い環境づくりにつながります。お互いが笑顔で向き合えるよう、小まめに対策を取っていくことが大切ですよ。
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記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)