【まとめ】特養の入所待ちを回避するための4つの方法
2016.8.19
特別養護老人ホームは高齢者向け施設の中でも費用が安く、退所条件が緩いこともあって要介護者やその家族の中で利用を希望する方が多くなっています。人気の高さが影響し、入所待機の状態の方も増加傾向にあります。
2014年には待機者の人数が、約52万人にものぼると発表されました。
厚生労働省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況」
2015年4月に介護保険制度が改正されて特別養護老人ホームを利用できる要件が限定されたものの、待機者は後を絶たない状態です。
できるなら入所待ちの負担を減らしたいという方に向けて、特養難民にならないための対処法についてまとめました。
特養の選考基準を理解する
特養に入るためには、施設長やケアマネージャーといった方々が複合的な見地から利用者の選出を行います。一般的に以下の項目が入居者を選抜する基準として定められています。
- ・入居希望者の要介護度レベル(要介護3~要介護5)
- ・入居希望者の住居環境(独居か家族介護か)
- ・家庭内の事情(老々介護かどうか、イジメの有無など)
以上は基本的な入所基準ですが、実際には利用者やその家族との面談の印象も重要です。面談の際には、偽りなく家族介護の現状をしっかりと伝えておきましょう。
特養を運営・連携している病院などを利用する
特別養護老人ホームのほとんどは、社会福祉法人や系列病院が運営しています。同じ系列の病院のサービスを利用することで、家庭で行っている介護状況が伝わりやすい環境だと言えるでしょう。そうした状況が影響し、審査の際に酌量される可能性もあります。
どうしても入所したいという方は、そうした中で苦しい状況を訴えるというのも良いかもしれません。
新設の施設を狙う
どうしても特別養護老人ホームを利用したいと思われているなら、今後完成が予定されている施設を狙うのも良いかもしれません。
新設された施設の場合は、一度に多くの入所者を受け入れます。そのため、審査が通りやすい環境だと言えるでしょう。
新設の特別養護老人ホームを探すためには、地元自治体などのホームページを閲覧したり、役所に足を運んだりすると良いでしょう。
有料老人ホームの利用もオススメ
なかなか入所が決まらない状況というのは、よく起こり得ます。そうした際に重要なのは入所待ちの間に行う介護です。よく利用されるのが、有料老人ホームのショートステイ(短期入所生活介護)です。
ショートステイは、食事や入浴・排せつの介助をはじめ個別機能訓練を行うこともできます。入所基準は全要介護レベルが対象となっていますので、気軽に利用できることでしょう。利用日数が最大で30日と定められているため、すぐに次の入居先を見つける必要がありますが、しっかりと介護を受けることができる施設です。
また自宅での介護を検討されている場合には、訪問介護サービスなどを利用されることも良いかもしれません。
特別養護老人ホームは1施設50名~100名です。退所期限が設けられていないため、すでに入所している方が退所しない限り空きはできません。そのため、一般的には1カ月に1名~2名しか入所できないペースとなっています。待っている間に、利用希望者が亡くなってしまうという状況にもなりかねません。
それでも特別養護老人ホームを利用したいという方は、今回オススメしたポイントを参考に入所を目指されてはいかがでしょうか。
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記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)