寝たきりからの要介護を招く!サルコペニアの正しい予防方法とは?
2017.2.8
超高齢化社会の現代を元気に過ごしてゆくために大切なことといえば、将来寝たきりにならないための予防対策ですね。
「ロコモティブシンドローム」や「フレイル」については以前に紹介しましたが、今回は「サルコペニア」について。この機会に是非覚えてください!
サルコペニア・ロコモ・フレイルの違いって?
高齢者層の健康寿命にまつわる用語、ロコモティブシンドローム(ロコモ)とフレイルについては、以前「要介護を招くロコモティブシンドロームを防止! 40代からの対策」でも説明しました。今回はそれに続いて、サルコペニアについてご説明します。
サルコペニアとは、要約すれば「加齢による筋肉量の減少」という意味です。1989年にアメリカのローゼンバーグ氏によって提唱され、ギリシャ語の「サルコ(筋肉)」と「ペニア(喪失)」を組み合わせて命名されました。
ロコモやフレイルと同様、要介護状態の前提要因の病態として位置づけられていますが、それぞれ定義が異なります。 サルコペニアが「筋肉の減少」なのに対し、ロコモは「運動器の障害による機能低下」、フレイルは「運動能力の低下に心理的要因などが加わるもの」と概念に違いがあり、同列には比較できないのです。
進行すれば要介護状態?
では、サルコペニアの対策はいつ頃から考え始めるべきでしょう?
サルコペニアの症状は、中高年期には既に兆候として現れます。一般的には、人間の骨格筋の量は50歳以降、1年ごとに1~2%ずつ減ってゆくといわれ、減少した分の筋肉は脂肪に置き換わり、肥満となって膝や足腰に負担がかかります。また、加齢による筋肉の減少が極端になると、ふらつきや転倒のリスクが増加してゆきます。
これは、人間が20歳代にあった骨格筋の面積が70歳になると25~30%減少、筋力も30~40ほど%減少していることが原因です。このまま衰えが進行してしまえば、寝たきりから要介護状態まっしぐらとなる可能性も否定できません。
早期予防対策として、若い頃からサルコペニア対策を考えておくことは重要なことでしょう。
サルコペニア対策は筋トレと栄養摂取!
ここでサルコペニアのメカニズムを簡単にご説明しておきます。
肉の代謝はどんな健康状態の人でも常に行われますが、加齢が進むと、筋肉を生成するたんぱく質の分解量が合成量を上回ります。つまり筋肉の代謝バランスが崩れてしまいます。これによって筋肉が衰え、さらに重度化した場合サルコペニアにつながるわけです。
この予防対策として最も有効と考えられているのは、筋肉トレーニングと適切な栄養の摂取のコンビネーションです。筋肉トレーニングは、スクワットや腕立て伏せなどを10回程度を1~3セットずつなど、無理のない範囲で行うことが大切です。
また栄養面は一般的に、健康維持のために体重1キロ当たり1日1グラム(70キロの人なら1日70グラム)のたんぱく質摂取が必要とされています。サルコペニアの高齢者はそれよりもさらに多めの1日1.2~1.5グラム(70キロの人なら1日84g ~ 105g)の摂取が理想とされています。ちなみに納豆1パックで7gほどのタンパク質が採れます。
【シニアのあんしん相談室‐宅配ごはん案内‐】でまとめて資料を取り寄せて検討してみてはいかがでしょうか。
超高齢化社会となった現在、将来を見越して早めに健康対策を始めるのもよいかもしれません。皆さんも早速実践してみては?
参考:超高齢社会におけるサルコペニアとフレイル 参考:サルコペニア : 予防と改善(ランチョンセミナー,第48回日本理学療法学術大会(名古屋))【関連する記事はこちら】
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)