特別養護老人ホームの入居手続きの流れと注意点
2017.10.2
入居までの流れは
入居の流れは施設によって少しずつ違うものの、主な手続きの流れは変わりません。
新宿区の手続きを例に 、特別養護老人ホーム(以下「特養」と表記)入居までの流れを以下でご紹介します。
1.問い合わせ・資料請求
希望する施設に対し、電話やメールなどで問い合わせをします。 不明な点がある場合は電話で実際に確認することをおすすめします。「入居の件で相談したい」「入居を検討しているのですが……」などと伝えると良いでしょう。
2.入居申込書(入所申込書)の提出
問い合わせをすると、必要書類の提出などを求められます。
必要書類は主に以下の3つが挙げられます。
全国の高齢者総合相談センターにあります。また、地域によってはインターネットでダウンロードすることも可能です 。 申込書には次の2点を記入する必要があります。あらかじめメモしておくなど用意しておくと良いでしょう。
・担当のケアマネージャーの氏名と事業所名、連絡先
・入居中の施設あるいは入院中の病院の種類と名前、所在地
■介護保険被保険者証
入居希望者が住んでいる地域の施設に入居する場合は、窓口に提示するだけです。
住んでいる地区以外の介護保険の被保険者である場合は、コピーを用意しておきましょう。
■直近3か月間に利用したサービスの利用票別表の写し
在宅サービスを利用していた場合は、申し込む直近3か月間の利用票別表が必要です。たとえば10月に申し込む場合、7~9月で利用したサービスの別表が必要です。
この書類は地域、施設によっては利用票の写しもあわせて必要になる場合があります。
3.審査
地域ごとに定められた指針に沿って、サービスを受ける必要性が高いかどうかの判断がされます。 「入所調整基準」「優先入所基準」「特別養護老人ホームへの入所指針」などと呼ばれています。
4.優先順位通知が届く
新宿区の場合、入所調整基準に基づき3か月に1度という一定の期間で入所希望者の状況を知らせる通知が届きます。
しかし優先順位が高くても、施設側の人員不足や設備不足などの理由で受け入れ態勢が整っていないために下位の人が先に入居する場合もあります。 この優先順位通知はおよその目安として捉えると良いでしょう。
5.入居候補者になり面談を受ける
入所候補者になると、その施設から申込者に直接連絡(電話)がいきます。その後面談を受けて、健康診断書の提出を行います。
6.入居の可否が決まり、入所
面接と健康診断書の後、施設で入居の可否を決める会議が行われ、最終決定が下ります。 入居が可能という判断が下ると、ベッドが空き次第入居になります。
7.契約書・入居
契約書を交わし、重要事項の説明を受けて、施設での生活が始まります。
注意が必要な書類
入居の申し込みがスムーズにできても、途中で提出する書類が用意できなければ流れが滞ってしまいます。特に「健康診断書」には注意が必要です。
一般的に、入居申込の前に見学や 体験入所をしますが、この体験入所の段階でも健康診断書が必要になります。
この健康診断について国の法律では行うことを義務としており、細かい検査項目は指定されていません。このため、検査項目は地域の条例によって定められている場合と各施設で定められている場合があります。
当然指定された項目の検査を受けていなければなりません。
検査項目が足りないと、改めて検査が必要になります。検査を予約してから検査結果を送付してもらうまでには2週間程度かかると言われており、できるだけ入居を早めたい人にとって2週間は長く感じるでしょう。問い合わせの際に予めどんな項目が必要か尋ねておくことが大切です。
特養を希望する方は多く、できるだけ早く入居したいという方は早めの手続きと対応が大切です。
ここでご紹介した手順や注意点をポイントに、スムーズな入居申込と入居手続きを行いましょう。
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記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)