要介護を招くロコモティブシンドロームを防止! 40代からの対策
2016.11.22
「メタボ」に続いて「ロコモ」という言葉も、中高年から高齢者層の健康用語として最近よく耳にするようになりました。
でも、言葉は聞いたことがあっても詳しい意味は?という人は多いかもしれません。
高齢者どころか近頃では小学生にも使われるという「ロコモ」という言葉。この際ですからしっかり勉強しておきましょう。
改めて「ロコモとは?」
以前の記事で6月5日「ロコモの日」について簡単に紹介しました。(こちらの記事を参照)ではそのロコモとは一体どんな症状で、どれくらいの人が正しく認識しているものでしょう?
ロコモの正式名称は「ロコモティブシンドローム」、和名では「運動器症候群」と呼びます。筋肉・骨・関節・軟骨・椎間板などの運動器が衰えて不具合が生じることで、立ったり歩いたりの日常行動に支障が出る。これがロコモです。
ロコモとフレイルは似て非なるもの
ロコモの症状は、以前紹介した「フレイル」という健康状態にも似ています。(こちらの記事を参照)ただし専門的見地からは別のものと分類されています。
フレイルは今のところ明確な診断基準は定まっていませんが、「加齢に伴う様々な機能低下に、外的ストレスが加わり脆弱性が増した状態」であると定義されています。すなわち身体的要因以外に、心理的・社会的要因が含まれるという考えです。
これに対してロコモの場合は、あくまで運動器の障害が原因で起こる機能低下。進行すると寝たきりや家に引きこもりがちになってしまう方が多く、それが引き金となり要介護状態になる可能性も上がります。
ロコモ対策は40代から!
ではロコモ対策は、介護が必要になる60~70代の高齢者になってから始めればよいのか?というと、そうではありません。40代の中年期から、極端なことを言えば小学生の頃からでも対策を講じておくべきものなのです。
40代以上の5人に4人はロコモ予備軍とさえ言われています。これは、加齢による筋力の減少(サルコペニア)が40代半ばから始まるためで、これがロコモの兆候の一つと言えます。「ロコモ予防はサルコペニアの防止から」を目標に、20~30代のうちから骨の強化と筋肉の増量を意識する必要があるでしょう。
一方、近年では子供の世界でも、運動器疾患や運動器機能不全と診断される「子供ロコモ症候群」が増加中なのだそうです。こちらの最大の原因は、スマホゲームやテレビゲームなど家で遊ぶことが増えたことによる運動不足。
家で遊ぶことが多い子どもを持つ親は、定期的に一緒に外で遊ぶなど対策をとるのが良いでしょう。
健康寿命を長く保つために…
40代からできるロコモ予防法として、運動だけではなく食事にも気をつけましょう。中でも効果的な栄養素といえば、たんぱく質とビタミンB6です。
ご承知の通り、たんぱく質は肉・魚・卵・乳製品・大豆製品に多く含まれます。動物性たんぱく質は植物性たんぱく質よりも吸収効率が高いのが特徴ですが、単品に偏らずいろいろ組み合わせて摂取するとよいでしょう。
筋肉を増やすたんぱく質と、その生成を手伝うビタミンB6を多く含む食材(にんにく・赤ピーマン・バナナ・ピーナッツ)を一緒に摂れるようなメニューがオススメです。
筋肉は40代から徐々に落ちると言われます。正しい栄養摂取と適切な運動習慣でロコモを撃退して、健康寿命を長く保ってくださいね。
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参照:サルコペニアとフレイル〜ロコモとの相違について考える〜 参照:高齢者のサルコペニアと転倒 参照:ロコモティブシンドロームの予防と改善における運動と栄養の重要性と実際
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記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)