【具体例付き】高齢者の認知症予防に適した脳トレとは
2016.8.3
脳トレが認知症予防に効果があると近年分かってきました。
今回は脳トレにどのような効果があるのか、またどのようなことをすれば良いのかについてまとめました。
楽しみながら脳を活性化させる方法について、いくつか例を挙げています。
認知症予防に関心がありましたら、試してみてはいかがでしょうか。
脳の認知機能について
脳にはさまざまな機能が備わっています。認知症の場合は、その中でも認知機能と呼ばれる部分が低下し、日常生活に影響が出ている状態を指します。認知機能の一例として下記のようなものが挙げられます。
・記憶力
情報を蓄える、情報を保存する、必要に応じて情報を取り出す(思い出す)ことなど。
・注意・計算力
意識を集中させて持続させること。
・言語能力
話している言葉や書いてある言葉を理解する、言葉を用いてコミュニケーションをとること。
・実行機能
目標を設定する、目標に向かって計画する、計画を実行すること。
・判断力
善悪の判断、服を選ぶなどの日常的な判断、突発的な出来事が起こったときの判断をすること。
脳トレで脳に刺激と栄養を与える
脳が通常通りに働くためには、さまざまな要素が必要です。例えば脳が正常に働いている状態だと、血液・酸素・糖などが脳へと運ばれます。血流が良い状態を保つことで、脳の機能低下を防いでくれているのです。
反対に脳を働かすことをおろそかにしてしまえば、脳に届くはずの栄養や血液が減少し、認知機能の低下を招いてしまう可能性があるのです。
つまり認知症予防や認知症の症状悪化を防ぐためにも、脳に刺激を働かせたり与えたりという行為はとても重要です。そのため脳トレは認知症予防に欠かせないものだと認識されています。
認知症予防のための脳トレ
一口で脳トレと言っても、さまざまな種類があります。ここからは、脳を刺激してくれる脳トレ法をお届けしていきます。
・計算系
認知機能の1つである計算機能を伸ばす脳トレです。簡単な足し算や引き算から始めていき、少しずつ問題のレベルを上げていくと良いでしょう。またお出かけの際に合計金額やお釣りの額を計算しながら買い物をすることも効果的な脳トレ法です。
・読み書き系
文字を書くという効果は脳にとって非常に良い訓練になります。新聞のコラムや百人一首などを書き写し、声を出しながら読むことをオススメします。百人一首などの決まった文章の場合は、記憶力の向上にもつながります。冒頭だけ詠んで、最後まで覚えているかどうかを確認しながら文章を書く、というのはいかがでしょうか。
・麻雀や将棋などのボードゲーム
勝敗を決するゲームでは、相手の裏をかくという考え方を持つ必要があります。この考え方は高度な認知機能を必要とするので、大いに脳トレ効果が期待されます。また他の人と一緒に行う必要があるため、会話などのコミュニケーション能力の向上にもつながるでしょう。
・初めて経験することをやってみる
これまでやりたいと思っていたけれど、時間がなくてやれなかったことを積極的に体験することもオススメです。日曜大工やパソコン、英会話など、初めての体験は脳を刺激してくれます。自分がやりたかったことを見つけて、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ご自身やご両親に見合う脳トレ法は見つかりましたか?
ただ注意点として、自分自身が苦手だと感じるものはできるだけ避けることをオススメします。
なぜなら脳トレをやっている際に「楽しい」と感じることも、脳の活性化につながるからです。
一人で行っている時はもちろんですが、家族や友人と一緒に行う場合は、相手も楽しんでいるかどうかを確認しつつ取り組んでいきましょう。
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記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)