認知症を予防する生活習慣と脳力を低下させない対策法を紹介!
2016.6.15
認知症は誰でもかかりうる病気です。現在、認知症を完全に回避したり完治したりする方法というのは見つかっていません。ですが生活習慣を見直すことで、ある程度予防に効果があると分かっています。前回、「認知症にならない人がやっている大切な4つの生活習慣」 の記事で予防に繋がる対策を紹介しましたが、今回は他の対策と、予防のために鍛える能力について紹介します。
認知症の予防に繋がる食事と睡眠習慣
■バランスの良い食事を摂る
栄養バランスを考えた食事を行うことで、認知症の予防に繋がります。特にコレステロールの摂り過ぎには注意が必要です。大切な栄養素をバランスよく摂るため、摂取すべき9品目があります。その頭文字を取り「マゴタチワヤサシイ」という覚え方があるので参考にしてください。
- マ 豆類
- ゴ ゴマ
- タ 卵
- チ チーズ・牛乳
- ワ ワカメ(海藻類)
- ヤ 野菜・果物
- サ 魚
- シ しいたけなど(きのこ類)
- イ 芋類
■睡眠習慣
睡眠習慣と認知症においても次のような関連性があります。
・睡眠時間は6~8時間
人間は毎日十分な睡眠を取ることで、脳内の老廃物を排出します。そのため、睡眠時間が少ない方は注意が必要です。平均睡眠時間が5時間以下の方は、アルツハイマー型認知症にかかるリスクが高まるという研究結果もあります。また寝過ぎても生活リズムを崩しやすくなるため、認知症予防にベストな睡眠時間は6~8時間になります。
・30分以内の昼寝
30分以内の昼寝を行うことで、アルツハイマー型認知症になるリスクが5分の1に減少すると言われています。ただし、1時間以上の長い昼寝は逆効果だといわれているので、注意が必要です。
認知症で落ちる脳力と対策
認知症になると、いくつかの脳力が極端に低下します。ですが発症前に低下が予想される能力を鍛えておくと、予防に効果があるのです。それでは認知症で低下する能力を紹介します。
■エピソード記憶
エピソード記憶とは、実際に体験したことや最近の出来事を覚えている・思い出す能力です。昨日の昼食に何を誰と食べたかなどをはっきりと思いだすといったことも含まれます。
【鍛える方法】- ・レシートを見ないで、買った物を思い出しながら家計簿をつける
- ・1日もしくは2日前に体験した内容を、思い出しながら日記をつける
■注意分割機能
2つや3つの作業を同時進行で実行する機能です。複数人の方と会話を行ったり、煮物料理を作りながら魚を焼いたりすることも含まれます。
【鍛える方法】- ・仕事や作業をテキパキとこなす
- ・一度に何品かの料理を同時進行で作る
- ・人と会話をする際、相手の表情や気持ちを気に掛けながら話す
■計画力
計画力とは何かを行う際、物事がスムーズに運ぶための手順を考える能力です。例としては旅行の計画を立てたり、料理の手順を考えたりすることです。計画力が落ちると、外出や料理をする意欲を失います。その影響で日常生活が内向的になり、認知症になりやすい環境になるという悪循環に陥る可能性もあるのです。
【鍛える方法】- ・行き先が複数ある場合、外出ルートを考える
- ・新しい料理を考える
- ・囲碁や将棋・麻雀といった手順を考えるゲームをする
認知症を予防するためには、毎日の取り組みが大切です。冒頭で述べた通り、認知症の完全な予防法・治療法は見つかっていません。ですが、今回の方法を実践することで認知症の発症を遅らせたり、認知症の発症を抑えたりすることができる可能性が高まるかもしれません。
認知症にならないためにも上手に利用されることをオススメします。
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記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)