当てはまる人は要注意!認知症が疑われる症状
2016.3.18
認知症は症状が少しずつ現れるものであるため、家族だけで認知症にかかっているかどうかを判断するのは簡単ではありません。
しかし認知症の症状について知っておけば、ちょっとした異変にも気付きやすくなるはずです。
認知症を早期発見するためにも、認知症の症状について今のうちに覚えておきましょう。
共通して現れる症状
認知症の症状は「ほぼ全員に共通して現れるもの」と「人によって個人差があるもの」の2つに分けることができます。
以下は共通して現れやすい代表的な症状の一覧となっているので、まずはこれらだけでも覚えておきましょう。
記憶障害
- ・何度も同じことを言ったり聞いたりする
- ・家族や友人の名前を忘れてしまう
- ・記憶を必要とする会話ができなくなる
- ・古いことは覚えていても新しいことを思い出せない(覚えられない)
見当識障害
- ・日付や月、曜日が分からなくなる
- ・周囲の人との関係が分からなくなる
- ・自分のいる場所が分からなくなる
判断力の低下
- ・気温に合わせた服装を選べなくなる
- ・あいまいな表現が理解できなくなる
- ・目に見えない仕組みが理解できなくなり、ATMや駅の自動改札などが使えなくなる
人によって個人差がある症状
続いては人によって個人差がある認知症の症状を、「身体的症状」と「精神的症状」に分けて見ていきましょう。
身体的症状
日常生活能力の低下
食事や排せつ、入浴、着替えといった、日常生活を送るための基本動作が一人でできなくなります。
徘徊
家の中や外を一人で歩き回ります。見当識障害が進むことにより自分のいる場所が分からず、歩き回って行方不明になってしまうこともあります。
弄便
自分の大便を自分でいじる行為のことを「弄便」といいます。排泄物の意味が理解できないことによって起こる行動です。弄便をすると、ただ汚いだけでなく、本人が細菌に感染してしまう可能性もあるので要注意です。
精神的症状
物盗られ妄想
財布や通帳、印鑑などの大事なものをいつもとは別の場所にしまったり、しまい忘れたりしてしまっても、そのこと自体を忘れます。しかし、「自分が忘れるわけがない」という想いが現れることにより「誰かに盗まれた」「隠された」と思い込んでしまいます。
幻覚
そこには無いはずのものや人を「見える」と言うようになります。
不安と依存
認知症によってこれまで出来ていたことが少しずつ出来なくなると、本人にもだんだんと不安が募ってきます。 そして不安感と一緒に焦燥感が強まり、他人を頼るようになって家族や介護者の後を付いてくるようになります。
抑うつ状態
気分が落ち込むだけでなく、物事に億劫になってしまい、以前はおもしろいと感じていたことに対しても、興味がわかない状態となる場合があります。
また、記憶力など、自分の能力の低下を強く自覚することで自信をなくして抑うつ状態になることもあります。
今回は「認知症の症状」をテーマにお話ししましたが、もしこれらの症状に当てはまるようなことがあった場合は、できるだけ早く対策を講じる必要があります。
認知症は早期治療をすることも可能ですが、認知症にかかっていると分かった時点で、今後の介護方針についても一緒に考えるようにしたほうがいいでしょう。
もし、いつか自分の親を老人ホームに入居させようと考えていた場合は、入居先の施設を本格的に探し始めてもいいかもしれません。
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記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)