認知症サポーターがつけるリストバンド『オレンジリング』とは?
2017.2.24
「オレンジリング」というものをご存知でしょうか?
オレンジリングとは、認知症養成講座を受講して認知症の方やその家族を支援するために正しい知識を身につけた方に渡される目印のようなものです。
ここでは、オレンジリングと認知症サポーターについてご紹介します。
オレンジリングとは
認知症サポーターキャラバンが開催する「認知症サポーター講座」を受講し、認知症サポーターとなった際に渡されるオレンジ色のリストバンドです。
これは他のサポーターや支援団体と連携して認知症を支援するサポーターの証でもあります。
認知症サポーターは、周りの方々に対して認知症に関する正しい知識を伝えたり、できる範囲で認知症患者やその家族を手助けする方です。
認知症サポーターキャラバン
認知症サポーターキャラバンとは、厚生労働省が実施する“認知症サポーターを増やして認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを目指す団体”を指します。
また「全国キャラバン・メイト連絡協議会」では、市区町村の自治体や全国規模の企業などと共催して、認知症サポーター養成講座の講師(キャラバン・メイト)を養成しています。
そして、キャラバン・メイトは自治体などと協働しながら、認知症サポーター養成講座を催します。
認知症サポーターとは
認知症サポーター養成講座を受講すると「認知症サポーター」に認定されます。
認知症サポーターには、特別な何かをやらなければならないという義務はありません。ただ「認知症について正しく理解し、認知症の方やその家族をサポートできるような資質を保持して、自分のできる範囲で活動すること」を目的としています。
友人や家族に知識を伝えたり、まちの 一員として身近な商店や交通機関などで手助けをしたりするなど活動内容はさまざまです。
認知症サポーターは850万人を超える
認知症サポーター制度の活動がスタートした2005年当時、認知症と言えば「徘徊や暴力をふるって周囲を困らせる存在」という先入観を持つ人が多くいました。認知症サポーター制度は、そうした認知症患者へのイメージを払拭するべく広まった啓発活動です。
発足当初から5年の間にサポーターを100万人養成する『認知症サポーター100万人キャラバン』という目標を掲げ、平成21 年に達成しました。創立13年目に入った現在でもサポーターは増え続けており、およそ850万人近くまで増えています。
養成講座を実施する主体には、自治体と企業団体の2通りがあり、頻繁に講座が開催されています。最近では、金融機関や店頭などでオレンジリングをつけた人を見かけることも珍しくありません。
「サポーターとして得た知識を世間に広めたい」というサポーターが増えており、認知症カフェを開いたり、介護ヘルパーに同行して認知症の方の話し相手になったりなど、さまざまな場所で活躍しています。
高齢化社会が進む日本では、2025年に65歳以上の5人に1人が認知症になると言われており、今後認知症の悩みを抱える人も増えていくことが予想されます。
そのため、認知症患者やその家族を支援する証「オレンジリング」が注目されているのです。オレンジリングの活動に関心のある方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)