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要介護3の状態とは|受けられるサービスや支給限度額などを解説

2021.11.30

要介護3の状態とは|受けられるサービスや支給限度額などを解説 「要介護3」は、一般的に在宅介護の負担が大きくなり、施設への入居も視野に入ってきます。在宅介護で家族の介護の手間を軽減するには、多くの介護サービスの利用が必要となります。ここでは、要介護3とはどういった状態かを解説した上で、要介護3で利用できるサービス、区分支給限度額の範囲内で利用できるケアプランの例などについて紹介します。

要介護3とは

「要介護3」とは、「要介護1~5」のレベルにおいて真ん中に当たり、一つの節目でもある介護レベルとなります。
要介護3からは日常生活全般に介護が必要となり、特別養護老人ホーム(特養)の入居条件も満たします。そもそも要介護認定とは、介護保険による介護サービスを利用するために必要なものであり、介護の必要な度合いを示すものです。要介護認定については、以下の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】要介護認定とは|要支援との違いなどの基本知識から申請方法や更新について解説

要介護3の判定基準

要介護認定の主な判定基準は、要介護認定等基準時間です。要介護認定等基準時間は、介護の手間の「ものさし」とされており、要介護3と判定されるのは、「70分以上90分未満」のケースです。

要介護認定の審査では、「一次判定」と「二次判定」の2段階で行われ、一次判定では、本人や家族に対する訪問調査と主治医の意見書を基に、コンピューターが要介護認定等基準時間を算出します。二次判定では、学識経験者による介護認定審査会による審査が実施され、要介護認定等基準時間を基に特別な事情を考慮した上で、要介護度が判定されます。

要介護3の状態

要介護3とは、基本的に24時間の生活全般において介護を必要とする状態のことです。
例えば、食事、排せつ、入浴、服の着替えなど、身の回りのこと全てにおいて介助が必要です。自分一人で立ち上がる、立った姿勢を保持する、歩くといった行為もできません。

また、要介護3では、全般的な理解力の低下が見られることもあります。妄想、徘徊、奇声といった認知症の症状が見られることも多く、常時介護を必要とする理由となっています。要介護3は、施設介護を検討すべき段階であるともいえます。

■ 要介護3と要介護2の違い

要介護3と要介護2では、どのような違いがあるのか、まとめてみました。

要介護2 要介護3
食事・排せつ・入浴見守りや手助けが必要介助が必要
立ち上がるときや歩くとき支えを必要とする自身で立ち上がったり、歩いたりすることができない
認知機能部分的な理解力の低下が見られることがある全般的な理解力の低下が見られることがある

要介護2の場合は、食事、排せつ、入浴の際に介護が必要ですが、見守りや手助けをすることによって自身でできる状態です。一方、要介護3の場合は、自身で行うことができないため、常に介護が必要となります。また、要介護2の場合は、支えがあれば立ったり、歩いたりできるのに対し、要介護3の場合は、身体機能がより低下している状態のため、自力で立ち上がったり、歩いたりすることができません。認知機能の面においても、要介護2の場合は部分的に理解力の低下が見られることがありますが、要介護3の場合は常に理解力の低下が見られることがあります。

■ 要介護3と要介護4の違い

要介護3と、より介護を必要とする度合いが高い要介護4とでは、どのような違いがあるのか、まとめてみました。

要介護3 要介護4
食事・排せつ・入浴介助が必要全面的な介助が必要
立ち上がるときや歩くとき自身で立ち上がったり、歩いたりすることができない自身で立っていること自体ができず、 移動には車いすが必要
認知機能全般的な理解力の低下が見られることがある全般的なより全般的な理解力の低下が見られ、コミュニケーションが取りにくい

食事、排せつ、入浴においては、要介護3の場合も介助が必要な状態ですが、要介護4の場合は、全面的な介助が必要な状態です。また、要介護4になると、自身で立っていること自体ができず、移動には車いすが必要となります。また、要介護3よりも全般的な理解力の低下が進み、会話はできるものの、円滑なコミュニケーションを取るのが難しい状態です。

要介護3で受けられる介護保険サービスと給付制度

要介護認定を受けると、介護保険制度による給付を受けることができます。要介護3の認定を受けると利用できる介護サービスなどについては、以下の項目に分けて紹介します。

  • ・要介護3の区分限度支給額
  • ・要介護3でもらえる給付金・補助金
  • ・在宅・通所サービス
  • ・施設介護サービス
  • ・レンタル・購入できる福祉用具

要介護3の区分支給限度額の範囲内であれば、所得によって在宅・通所サービスを1~3割の自己負担で利用できます。
要介護3では、自立した人向けの施設を除いて多くの施設介護サービスを利用することが可能であり、特別養護老人ホームの入居対象にもなります。
また、一定の要件を満たすと、介護保険を利用して介護改修に関わる給付金・補助金を受けられるほか、介護保険の適用を受けてレンタル・購入できる福祉用具もあります。

■ 要介護3の区分限度支給額

要介護者は、要介護度に応じて決められた区分支給限度額の範囲内で、在宅・通所サービスを利用することができます。区分支給限度額までの介護サービスの利用は、所得によって1~3割の自己負担となります。区分支給限度額を超えた介護サービスを利用することもできますが、超過分は全額自己負担となります。

区分支給限度額は、単位によって決められております。上限まで利用した場合の1カ月分の自己負担額の目安は、以下の通りです。

自己負担割合と金額
1割負担 2万7,048円
2割負担 5万4,096円
3割負担 8万1,144円
※1単位当たりの金額は地域・サービスの種類によって異なる。1単位=10円として算出

■ 要介護3でもらえる給付金・補助金

介護保険制度の利用によって自宅を介護リフォームする際には、給付金・補助金(住宅改修費)の支給を受けることができます。
介護保険による住宅改修費の対象となるのは、要支援1・2、要介護1~5の認定を受けている人が、介護保険被保険者証に記載されている自宅を改修するケースです。対象となる工事は、「手すりの取り付け」「段差の解消」「滑るのを防いで円滑に移動できるようにするための床材の材料の変更」「引き戸などへの扉の取り替え」「洋式便器などへの便器の取り替え」のほか、これらのいずれかに付帯して必要な改修工事です。

介護保険による住宅改修費の支給上限額は20万円で、所得によって7~9割が支給されます。要支援者・要介護者一人につき20万円が上限ですが、分割して使うことも可能です。ただし、転居した場合や、要介護度が3段階以上進んだ場合は、再度住宅改修費として20万円までの給付を受けることができます。例えば、要支援1あるいは要支援2のときに住宅改修費の上限までの給付を受けていた場合、要介護3になったときには、再び給付の対象となります。

住宅改修費の給付を受けるためには、ケアマネージャーなどに相談の上、工事前に市区町村などへの承認申請を行い、承認を受けた後、工事に着手し、工事完了後に申請を行って償還されるといった流れになります。

このほかにも、自治体によっては、独自の給付金・補助金制度を設けています。

■ 在宅・通所サービス

要介護3で受けられる在宅・通所サービスには、以下のようなものが挙げられます。

在宅・通所サービスの種類
訪問サービス
  • ・訪問介護
  • ・訪問入浴
  • ・訪問看護
  • ・訪問リハビリテーション
  • ・夜間対応型訪問介護
  • ・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
通所サービス
  • ・通所介護(デイサービス)
  • ・通所リハビリテーション
  • ・地域密着型通所介護
  • ・療養通所介護認知症対応型通所介護
短期間の宿泊サービス
  • ・短期入所生活介護(ショートステイ)
  • ・短期入所療養介護
訪問・通所・宿泊を組み合わせるサービス
  • ・小規模多機能型居宅介護
  • ・看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)

■ 施設介護サービス

要介護3の認定を受けている場合は、公的施設も民間施設も、自立した人を対象とする施設を除いた多くの施設において、入居対象となります。

在宅・通所サービスの種類
公的施設
  • ・特別養護老人ホーム(特養)
  • ・介護老人保健施設
  • ・介護医療院
  • ・ケアハウス(介護型)
  • ・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(地域密着型特別養護老人ホーム)
民間施設
  • ・介護付き有料老人ホーム
  • ・住宅型有料老人ホーム
  • ・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
  • ・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
  • ・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

【 特別養護老人ホームへの入居が可能 】

要介護3の認定を受けていると、特別養護老人ホームへの入居も可能となります。特別養護老人ホームは、原則として要介護3以上でなければ入居申請を行うことができず、例外的に認められるのは、特別な事情がある場合に限られます。

ただし、特別養護老人ホームの日常生活継続支援加算の要件の一つに、新規入所者のうち、要介護4、5の認定を受けている人が70%以上という項目があるため、要介護4・5の認定を受けている人を優先する施設もあります。地域によって差はありますが、特別養護老人ホームは待機者が多いことからも、要介護3であれば必ずしも特別養護老人ホームに入れるというわけではありません。

特別養護老人ホームは、24時間体制で介護が受けられ、公的施設のため費用が安いといった点がメリットです。ただし、日中は看護師が常駐しているものの、夜間は不在となる施設が多く、受けられる医療ケアが限定的なため、医療依存度が高い場合においては入所できないことがあります。

【 施設介護の費用 】

要介護3の認定を受けている人が介護施設に入所した場合にかかる費用の一例は、以下の通りです。

支出 特別養護老人ホーム(特養) 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
月額利用料(家賃・管理費・水道光熱費)6万180円11万円11万円
介護サービス費(1割)2万6,756円2万2,486円2万1,980円
医療費5,000円5,000円5,000円
おむつ代・雑費3,000円(おむつ代は費用に含まれる)9,000円9,000円
食費目4万3,350円5万4,000円5万4,000円
合計13万8,286円20万486円19万9,980円

特別養護老人ホームは、比較的安価な費用で利用することができます。介護付き有料老人ホームは、要介護度に応じて介護サービス費がかかるのに対し、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(一般型)は、利用した分に対して費用が発生します。この例での費用は大きく変わりませんが、介護の必要度が高くなると、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の方が割高な費用がかかることもあります。

■ レンタル・購入できる福祉用具

要介護3では、介護保険を利用して、さまざまな福祉用具のレンタル・購入を行うことができます。

◎レンタルできる福祉用具の例と詳細
車いす 自走用車いす、介助用車いす、電動車いすなど
特殊寝台(介護用ベッド) サイドレールが取り付けてある、または取り付けが可能なもので、以下のいずれかに該当するもの
・背部または脚部の傾斜角度を調節する機能がある
・床の高さを無段階に調節する機能がある
手すり 取り付け工事が不要で任意の場所に置くことができるもの
移動用リフト(吊り具の部分を除く) 取り付け工事が不要で、自力で移動が困難な人の移動を補助する機能のあるもの

◎購入できる福祉用具の例と詳細
腰掛け便座 和式便器を腰掛け式に変更するもの、洋式便器の高さを補うもの、便座から立ち上がるときに補助する機能のあるもの、ポータブルトイレ
入浴補助用具 入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ
簡易浴槽 工事を伴わず、容易に移動できる空気式、折り畳み式などの浴槽
移動用リフトの吊り具 吊り具のみ

要介護3のケアプランと費用例

実際に、要介護3で介護サービスを利用したときをイメージしやすいように、ケアプランや費用の例を、以下2つのパターンに分けて紹介します。

  • ・在宅介護の場合
  • ・施設入居の場合

要介護3は、常時介護を必要とする状態のため、在宅介護でも施設介護でも、訪問介護を1日2回以上利用する日が発生することもあります。

■ 在宅介護の場合

要介護3の人が在宅介護を受けるときのケアプランと費用の例は、以下の通りです。

サービスの種類 利用回数/月 金額/回 金額/月
訪問介護(身体介護/20分以上30分未満)16回2,500円4万円
訪問介護(身体介護/30分以上1時間未満)8回3,960円3万1,680円
訪問介護(生活援助/20分以上45分未満)8回1,830円1万4,640円
訪問看護(30分未満)4回4,700円1万8,800円
通所リハビリテーション(7時間以上8時間未満)12回10,390円12万4,680円
合計--22万9,800円
自己負担合計(1割)--2万2,980円

こちらの例は、通所リハビリテーションを週3回利用し、残りの週4日は訪問介護を1日2回利用するプランで、区分支給限度額の範囲内に収まります。

■ 施設入居の場合

要介護3の人がサービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームなどの施設へ入居した場合のケアプランと費用の例は、以下の通りです。

サービスの種類 利用回数/月 金額/回 金額/月
訪問介護(身体介護/20分以上30分未満)12回2,500円3万円
訪問介護(身体介護/30分以上1時間未満)8回3,960円3万1,680円
訪問介護(生活援助/20分以上45分未満)8回1,830円1万4,640円
訪問看護(30分未満)4回4,700円1万8,800円
通所リハビリテーション(7時間以上8時間未満)12回10,390円12万4,680円
合計--21万9,800円
自己負担合計(1割)--2万1,980円

サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームでは、介護サービスを外部サービスとして利用することになるため、介護の必要性が高くなると、費用負担がアップします。ただし、在宅介護の場合よりも、多少は介護サービスの利用を抑えることができます。

まとめ

要介護3は、在宅介護も可能な要介護度ではありますが、長期にわたって介護を行っていたり、心身の機能の低下によって介護の必要性が高くなっていったりすると、家族の負担が大きくなります。要介護3では、特別養護老人ホームに入居できますが、待機待ちなどですぐに入居できない可能性があります。施設への入所を考えたときには、さまざまな種類の介護施設を視野に入れ、要介護者や家族に合った施設を探していきましょう。

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■記事作成・監修 シニアのあんしん相談室
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記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)
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