高齢者の趣味としてウォーキングはなぜ人気?
2018.9.12
日本は世界有数の「長寿国」。街を闊歩しているお年寄りの姿をみると、「若い者にはまだまだ負けない」というパワーを感じさせます。
お年寄りが元気でいるために、趣味やレクリエーションは欠かせません。中でも「ウォーキング」は男女とも高い人気を誇る趣味。今回は、高齢者の元気の源「ウォーキング」の力に迫ります。
「旅行」と並び、高齢者の趣味として人気の「ウォーキング」
大学の調査論文によると、「ウォーキング」は男女とも高い人気を誇る趣味で、「歩行」は「旅行」に次いで2位(男性53.7%、女性37.6%)となっています。
「ウォーキング」がお年寄りに支持されていることには様々な理由が考えられますが、一つには特別な用具を使うことなく、手軽に始められるからだと思われます。歩きやすいスポーツウエア、ウォーキングシューズ(ジョギングシューズ)があれば行うことができ、天候や気候、状況に応じて帽子や雨具、飲料水用のバッグやポーチを用意する程度で、他のスポーツに比較すると初期費用があまりかかりません。また、散歩に近いウォーキングなら、カジュアルな服装でも対応できます。
さらに「学術雑誌 理学療法科学(2009年)」掲載の論文を紐解くと、「ウォーキングを行うと生活の満足度が上がる」という結果も出ています。これは「高齢者を対象にウォーキングによる運動介入を行い、その介入が身体・認知・心理機能に及ぼす効果を、無作為割付け比較試験(対象者を介入群と非介入群(対照群)に分け、それぞれの結果を比較する研究方法)によって検討」したものです。
対象は高齢者69 名(平均年齢72.0歳)で、1 回につき30 分のウォーキングを12 週間実施。継続できた25 名の測定値を見ると、介入後は6 分間歩行距離が延長、主観的健康感、生活満足度、生きがい感といった心理面の向上が認められたそうです。
「介護施設選び」の際も、生活習慣作りには要注目
老人ホーム選びは、それぞれのライフスタイルによって異なります。地域や費用、入居条件、ケア体制(スタッフのクオリティ)といった点が重視されますが、先にあげた研究を踏まえ、ウォーキング奨励、介護予防プログラムなど、高齢者の健康増進についての取り組みを行っている施設かどうか、という観点を持つことも大切です。
「シニアのあんしん相談室」では、入居希望者様のニーズに応じた選びをお手伝いいたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)