寝たきりにならないために! 廃用症候群の予防と対策
2018.6.6
怪我をしたり病気になったりして体を動かさなくなると、回復したときに体を以前のように動かせなくなるということがあります。そのような症状を「廃用症候群(はいようしょうこうぐん)」と言います。高齢者の場合、その症状によって体を動かすのが億劫になり、そのまま寝たきりになってしまうというケースも多いので要注意です。 ここでは、寝たきりにならないために知っておきたい、廃用症候群の予防と対策についてご紹介します。
廃用症候群とは
廃用症候群とは、病気や怪我の治療に伴う、長期間に渡る安静状態によって身体能力が大幅に低下する症状のことをいいます。特に高齢者にはその症状が顕著に現れると言われており、期間が長いとそのまま寝たきりになる危険性があるので注意しましょう。また、体が動かせないことで気分が落ち込み、精神的な機能低下(うつ状態、睡眠障害、せん妄など)につながることもあります。
原因は基本的に、上述したように病気や怪我の治療のための長期間に渡る安静状態です。それ以外でも、関節の痛みや動きの鈍化により外出する気が起きなくなるなど、些細な理由で体を動かさなくなることでも発症します。
普段から油断せず、廃用症候群にならないための予防を心がけましょう。
廃用症候群の予防法
廃用症候群を予防するには、やはり体を動かすことが肝心です。廃用症候群は「生活不活発病」という別名があるくらいですので、普段の生活で活発に動くことで予防できるのです。
歩くことが可能であれば、散歩をする時間を設けて、毎日決まった距離を歩くようにしましょう。歩くことが困難でも、可能な限り、杖や歩行器を使って歩くことが望ましいです。このように少しでも体を動かす時間を生活の中に取り入れることで、廃用症候群の予防になります。
しかし、無理をしてはいけません。特に持病や身体に障がいがある方は、担当医に「どのくらいなら体を動かしても大丈夫か」を確認したうえで、安全性を配慮しながら行うようにしてください。
廃用症候群になったときには
廃用症候群になってしまったときは、専門家の指導のもとリハビリを行うなど、できるだけ体を動かすようにしてください。
歩くことが難しい場合でも、排せつや着替え、移乗などを自分の力で行うなどすると良いでしょう。付きっきりの介護になってしまうと、廃用症候群を悪化させる危険が高まりますので避けた方が良いです。
廃用症候群の症状が重い場合は、薬物治療によって症状を緩和することができます。「関節痛などの痛みが併発している」「心機能が低下している」「せん妄などの精神障害が出ている」などの場合は薬物治療が有効ですので、できるだけ早めに医師の診察を受け、適切な薬を処方してもらうようにしてください。
廃用症候群を予防するには、自分でできることはできるだけ自力で行うことです。体の機能は使わなければ使わなくなるほど衰えます。日頃から活発に体を動かし、寝たきりになることを予防し、いつまでも活発に生活を送られるようにしましょう。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)