老後の資金が不安 老後破産に不測の医療費、介護…どうしたらいい?
2018.5.23
平均寿命が長くなり続ける当今、長生きできることを喜んでばかりもいられないのが正直な所でしょう。長生きをするためには健康の維持も必要だし、そうなると生活費のことも考えなければなりません。
老後の生活に必要な生活費の問題として、最近耳にする機会が増えた「老後破産」について、今から考えておきませんか?
老後破産はどうして起こる?
老後生活におけるお金の必要性にまつわる記事としては、以前「老人ホームでかかる費用と資金計画」の中でご紹介しました。今回はそれとは別角度で、近年特に話題となっている老後破産について説明していきます。
最近は多くの人々が老後の生活に不安を抱えています。内閣府の発表によれば「老後の生活設計について悩み・不安がある」と回答した人は全体の5割強にも上っています。そんな中、老後のお金にまつわる問題の中で増加してつつあるのが老後破産なのです。 老後破産とは、定年後に破産状態に陥り生活に困窮する状況のことを指します。そして特徴的なのは、収入の低い世帯だけに限らず、現役時代に普通に勤務して貯金もあった人でも老後破産に陥るという点です。
老後破産を起こす原因として、次のようなケースが挙げられます。「ケース1 金銭感覚が変えられない」
定年後も現役時と同じ感覚で出費し、貯金額が早く減る。「ケース2 医療費が増える」
大病や介護など、想定外の出費が家計を圧迫する。「ケース3 ローンが返済しきれない」
定年を過ぎても住宅ローンが払い切れず負担となる。「ケース4 環境の変化を予想できない」
仕事面では中高年を過ぎてからの収入減、家庭面では自立しない子供や熟年離婚など。他にも、「いずれ国が面倒を見てくれるから…」などという無計画な危機感の無さも、老後破産につながりやすい要因とされています。
早めに始めておく老後破産対策のいろいろ
こうした老後破産の不安に対して、早めにその対策をしておくのがよいでしょう。
さて、まず対策の1つ目を紹介しましょう。
・「年金額を理解しておくこと」
ねんきん定期便などで将来もらえる年金額を確認しておけば、定年後の不安は軽減しますし、老後の生活設計の参考にもなります。
2つ目の老後破産の対策は
・「子供の教育費に対する方針を決めること」
子供の進路を熟慮したうえで、不要な塾通いや私立校の選択を避けることで、教育費を抑えられます。
そして3つ目の対策が
・「ローンを整理する」
定年による退職金はあくまで老後の生活費のためと考え、ローンは定年前に払い終えられるよう計画しましょう。
最後に4つ目の対策が
・「収入と支出のバランスを見る」
毎月の年金額を把握したら、年金額から現在の支出額(月額)を引いて、マイナスが出た場合は、その額が毎月貯金から切り崩される額になります。これを仮に25年分に換算すると、90歳まで最低限必要な貯蓄額が算出されるわけです。
老人ホーム探しが必要な方へ
以上の計算で定年後に最低限必要な貯蓄額は導き出されますが、これだけではありません。 家族に病気や事故など不測の事態が起こったときのことも想定しておく必要があります。特に高齢者と同居する世帯の場合は、突然介護が必要になる可能性もありますから、なおのこと準備をしておくべきでしょう。
そんな時こそ、資金面とサービス面の両方で比較検討ができる「シニアのあんしん相談室」で、高齢者に合った老人ホーム探しをしてみてはいかがでしょうか?
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)