免許を更新するなら知っておきたい!高齢者講習の内容について
2018.5.2
以前「高齢者講習制度とは?平成29年3月の施行で今までよりも複雑に?」という記事で、高齢者講習制度について紹介しました。
年を取るにつれて、人は記憶力と共に、判断力が徐々に低下していくものです。そのため、高齢になればなるほど自動車事故を起こす確率も高まります。
そこで、70歳を超えた高齢運転免許取得者は、免許の更新前に「高齢者講習」を受けることが義務付けられました。
ここでは、高齢者が免許の更新をする際に受けることになる高齢者講習の内容についてご紹介します。
高齢者講習とは
高齢者講習の対象者は、免許証の更新期間が満了する日(誕生日の1ケ月後)の年齢が70歳 以上で、かつ、免許の更新を希望する方です。受講が必要な方には「高齢者講習のお知らせ」というハガキが届きます。ハガキに記載されている指定自動車教習所に電話することで受講の予約を行うことができます。受講期間は免許証の更新期間が満了する半年前からです。6月が更新期間満了なら、前年の12月から受講可能です。
高齢者講習の内容
高齢者講習の内容は、ビデオで交通ルールについて再確認したり、専用の機械を使って動体視力など、安全運転をする上で必要になる視力や視野の検査を行ったりします。また、指導員と共に実際に車に乗って運転をし、指導員からの指導をしてもらいながら、運転技術について学びます。
その後の運転に活かすことができる、知識や技術を再学習することができるのが、高齢者講習なのです。
高齢者講習の概要は以下の通りです。
- 【受講料金】
5,200円
- 【受講時間】
約2時間~2時間30分
- 【講習内容】
- ・DVDなどで交通ルールや安全運転に関する知識を再確認する。指導員がおり、運転に関する質問などを受けながら受講する。
- ・器材を用いて動体視力や夜間の視力、また視野などを測定する。
- ・ドライブレコーダーで運転状況を録画しながら運転し、録画された映像を見ながら指導員からのアドバイスなどを受ける。
75歳以上の方は講習予備検査がある
75歳以上の方は、講習の前に講習予備検査があります。これは、記憶力や判断力を測定し、個人に適した高齢者講習を行うためのものです。 この講習予備検査は、認知機能検査とも呼ばれ、「時間の見当識」「手がかり再生」「時計描写」という3つの項目で検査をします。
- ・時間の見当識
検査をしているときの年月日、曜日や時間について回答をします。
- ・手がかり再生
イラストを記憶し、別の課題(採点とは関係がない課題)を行ってから、記憶したイラストをヒントなし、またはヒントを手がかりに回答します。
- ・時計描写
時計の文字盤を描いて、そこに、指定された時刻を指し示す針を描きます。
検査は30分ほどで終わり、結果は後日ハガキなどで通知されます。検査結果は
- ・記憶力、判断力が低くなっている(認知症の恐れあり)
- ・記憶力、判断力が少し低くなっている(認知機能低下の恐れあり)
- ・記憶力、判断力に心配がない(認知機能低下の恐れがない)
の3段階で判定され、「記憶力、判断力が低くなっている」と判断されたされた場合は、臨時定期性検査(専門医による診察)を受けなくてはいけません。認知症と診断された場合は、所定の手続きを行った上で、運転免許が取り消されるか、停止になります。
高齢者による自動車事故が増えていることから高齢者講習が義務付けられるようになりました。年を取ると若い頃と同じようには自動車の運転はできないものです。高齢者講習をしっかり受講し、交通事故を防止しましょう。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)