特養(特別養護老人ホーム)のユニットケアとグループケアの違いは?
2018.2.21
以前「特別養護老人ホームにかかる費用ってどれくらい?」という記事で特養(特別養護老人ホーム)の費用について紹介しました。
公共型の有料老人ホームとして需要の高い特養には、「ユニットケア」と「グループケア」というものがあります。同じ特養といっても、ユニットケアとグループケアでは受けられるサービスのスタイルが異なりますので、両者の違いをしっかり把握しておきましょう。
ここでは、特養のユニットケアとグループケアの違いについて、それぞれの特徴を紹介します。
ユニットケアとは
ユニットケアとは、10人以下の少人数をひとつのユニット(生活単位)に区分け、専用の居住空間と専任職員のサポートのもと生活をするスタイルの介護サービスのことをいいます。いつも同じ職員のサポートを受けられ、また居室がすべて個室になっていることから、入居者がより安心できる生活を送れるのが特徴です。
ユニットケアのメリット
ユニットケアには下記のようなメリットがあります。
- ・専用の個室があることからプライバシーが守られる
- ・同じユニットの入居者やスタッフと交流できる共有空間があることからストレスの軽減が期待できる
- ・毎日専任の職員がサポートをするため、スタッフとの信頼関係を築くことができる
- ・個人の状態や状況に適したサポートを受けることができる
ユニットケアのデメリット
メリットがある反面、知っておきたいデメリットもあります。
- ・建築コストが比較的高いため、充実した設備がある一方で居住費や光熱費がかさみ、利用費負担が大きくなる
- ・ユニット内でトラブルが起きた際に、住み替えなくてはならないケースが生じる可能性がある
グループケアとは
グループケアもユニットケア同様、少人数の複数グループに分かれてグループ単位で生活するスタイルのことを指しますが、ユニットケアと違うのは、運営基準が明確に制度化されていない点です。
ユニットケアは、ユニットケアのための建物や設備が用意されていますが、グループケアでは建物の構造や設備にとらわれることなく、グループ分けして介護サービスを行います。ユニットケアのように定員の基準はなく、入居者の状態や状況に応じてグループ分けを行っていきます。
グループケアのメリット
グループケアには下記のようなメリットがあります。
- ・人数の制限が緩いことから比較的入居しやすい
- ・入居者個人のニーズに見合ったケアを受けられる
- ・ユニットケアと比べて入居費用が抑えられる
- ・グループごとの外出支援などをしっかり行ってもらえる
グループケアのデメリット
グループケアには下記のようなデメリットがありますので知っておきましょう。
- ・それぞれの入居者に個室があるわけではないので、プライバシーの保護がむずかしい
- ・身体状況によってグループ分けをしているので、要介護度が上がるとグループに所属し続けることが難しくなる。
ユニットケアとグループケアは似ているようで、異なるものです。ユニットケアでは、個室が用意されているため、入居者本人のプライバシーが確保されているということ以外にも、入居者のご家族の方が気軽に訪問しやすいというメリットがあります。
特養をお探し中の方は、ここで紹介したことを参考して、より入居者の性格や身体状況にあった施設を探すようにしてくださいね。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)