寝たきり度を上げないために!寝たきり予防の方法
2018.2.7
以前「認知症高齢者の日常生活自立度・障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)とは?」という記事で寝たきり度について紹介しました。
病気やケガが原因で寝たりきりなってしまうと、その期間が長くなればなるほど筋力が低下し、日常生活に及ぼす影響も大きくなります。日常生活自立度(寝たきり度)の低下にもつながりますので、寝たきりになっている間も筋力低下を防ぐ必要があります。また、まだ寝たきりになっていない人も、寝たきりにならないよう予防をしておきましょう。
今回は寝たきりにならならないための予防法をご紹介します。
寝たきりになってもできるリハビリ
ずっとベッドで寝ていると、どうしても筋力が低下し、寝たきり度が上がってしまいます。筋力低下を最小限に抑えるためには、ベッドの上で実践できるリハビリを続けることが必要です。
筋力の低下を防ぐには、食事をしっかりとることも重要ですが、やはりどうしても体を動かさなくてはいけなくなります。少しずつ、寝返り程度でもいいので、意識的に体を動かすようにしましょう。
特に大きな外傷がないのであれば、脚を上げ下げしたり、足首を動かしたりなども筋力の著しい低下を防いでくれます。下半身だけではなく上半身も、腕を上げ下げしたり、体を起こしたりして動かすようにしてください。ひとりでは無理なようなら、介助者が手を添えるなどしてあげるといいでしょう。
身体を動かすことは筋力低下を防げるだけではなく、ちょっとした気分転換になり、精神状態にもいい影響を与えてくれます。
寝たきりを未然に防ぐ予防法
寝たきりになってしまわないためには、大きなケガをしないというのが大切です。転倒しないよう注意して生活しましょう。
しかし、いくら気を付けていても、加齢と共に筋力が低下すると、思っているよりも足が上がらず転倒につながりやすくなります。できる限り筋力が低下しないよう、普段からしっかり運動をおこなうことが肝心です。その際は過度なトレーニングではなく、比較的簡単で毎日継続しておこなえるものにしてください。
【寝たきり予防の運動】
- ・片足立ち
床から5㎝ほど足を浮かせて、左右1分ずつを1セット、1日3セットおこないましょう(時間やセット数はおこなえる範囲で大丈夫です)。
- ・スクワット
肩幅を少し広めに両足をひろげ、つま先を30度くらい広げたら、息を吐きながらゆっくりお尻を下げます。そして息を吸いながらゆっくりもとに戻します。1セット5,6回、様子を見ながら1日3セットおこないましょう。
- ・ウォーキング
有酸素運動は基礎代謝の維持や血行を改善してくれるなど、たくさんの効果がありますので、自分のペースでおこなうようにしましょう。
【寝たきり予防になる食事(栄養素)】
- ・カルシウム
骨量の減少や骨粗しょう症の予防にはカルシウムが肝心です。牛乳を飲んだり小魚類をしっかり食べたりするようにしましょう。
- ・タンパク質
筋肉を作るタンパク質は、基礎代謝をあげるなどの効果も持った栄養素です。肉類や大豆製品、乳製品などをすすんで摂るようにしましょう。
ほかにも、カルシウムの吸収率を高めるビタミンD、カルシウムの沈着を促すビタミンK、骨の主成分のひとつであるコラーゲンを形成するビタミンCなども丈夫な体を作るために必要な栄養素です。
適度に運動をして、丈夫な体を作ってくれる栄養素をしっかりとって、寝たきり度を上げない、もしくは寝たきりにならないよう予防するようにしましょう。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)