入居前に知りたい!介護老人保健施設(老健)のリハビリって?
2018.1.19
数ある老人ホームや介護施設の中で、介護老人保健施設は医療面の充実や費用の安さで人気があります。 ただし、入所前にしっかりと施設の内容やルールを確認しておかなければ、入所後に後悔してしまうことになります。
ここではおもに老健が行うリハビリの内容に焦点を当て、申し込み手順などとともに紹介していきましょう。
老健のリハビリ体制
まず簡単に介護老人保健施設(以下、老健)のおさらいをしておきます。
老健は介護保険制度で運営される施設で、要介護度認定1~5の人が入所対象です。入所期間はだいたい3ヶ月~6ヶ月程度と決められていて、長期入所はできません。それは老健の基本方針が「在宅復帰に向けた準備」をすることが目的で、いわば病院と自宅を結ぶ中間施設というポジションだからです。
3ヶ月ごとに退所か入所継続かの判定会議が開かれ、そこで退所するか否かが検討されます。しかし中には、体調こそ安定してはいるものの、退所後即自宅生活を行うことに不安を感じるという人もいます。そういう人は、リハビリを中心とした医療サービスおよび介護サービスを受けられます。
その老健のリハビリ体制ですが、定員100名に対し、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士のいずれか最低1名を配置しなければいけません。特養や介護療養型医療施設と異なるのは、このリハビリ専門家の配置義務があるという点です。在宅復帰に向け、リハビリに重きを置きたいとあれば嬉しいですね。
また、リハビリ体制の充実している老健施設では、リハビリ部門は専門職10名のリハビリスタッフで構成されているところも。内訳は、常勤理学療法士(1名)・非常勤理学療法士(1名)・常勤作業療法士(2名)・非常勤作業療法士(3名)・非常勤言語聴覚士(1名)・非常勤リハビリ助手(1名)・非常勤歯科衛生士(1名)となっています。ただし常勤換算6.5名のため、常時10名のスタッフが在勤する訳ではありません。
ただ、この体制によって、さまざまな部門やリハビリスタッフがうまく機能し、老健利用者のQOL(生活の質)の向上に貢献したと言います。施設選びの参考として、その老健がどのような体制でリハビリを行なっているのかをみると良いかもしれませんね。
本人の希望と意見交流をもとに作る計画書
老健のリハビリは週2回、個別に行われます。リハビリスタッフの人数次第で、個別リハビリ週1回プラス集団リハビリ週1回というシフトになることもあります。
ハビリを開始する際、まず利用者本人や家族の希望を加えたリハビリ実施計画書をスタッフが作成し、いくつかの提案の中から最終的に本人と家族に選んでもらう手順をとります。最終的に本人および家族への説明があり、捺印して完了です。
実施計画書の作成にあたっては、リハビリスタッフと他部門スタッフとの意見交流があり、利用者の個別の体調や在宅環境に基づく内容(自宅に階段があれば階段の訓練を加える、など)はそこで加味されます。さらに計画書は3ヶ月ごとに再作成がなされるため、認知症の進行や体調の変化があれば、その都度こまやかに対応できる仕組みになっています。
さぁ老健入所!必要な書類との面接のコツは?
では最後に、実際に老健へ入所するにあたっての申し込み方法と、必要な心構えをお教えしておきましょう。
まず必要書類として、施設の利用申込書、健康診断書と健康保険書、あれば身体障碍者手帳、さらに医師の紹介状を準備して、施設の窓口に提出します。その後、入所者本人および家族と施設職員による面接を行い、面接内容と提出された書類をもとに、入所の判定がなされます。
面接の際、利用者本人の口から、自宅復帰の希望やリハビリに臨む積極的な姿勢をアピールすることで、評価がアップする場合があります。これから老健への入所を考えている人は是非参考にしてみてください。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)