歯はどうして抜ける? 歯の寿命をのばす方法
2017.6.28
人間の歯は通常28~32本です。しかし、高齢になると徐々に減っていってしまいます。
日本では、70歳になったときの歯の平均本数は15本だと言われており、歯の半分以上が失われていることが分かります。
このように、歯は加齢とともに失われる「寿命」があると言われており、おいしくご飯を食べるには自分の歯を長く存続させるよう注意しなければいけません。
ここでは、歯の寿命と歳を取るにつれて歯が抜けてしまう原因、また歯の寿命をのばすコツについてご紹介します。
歯の寿命は50~60年
高齢になっても歯がたくさん残っているという方はあまり多くありません。
性別や生えている場所によって寿命に差異がありますが、全体では50年から60年前後と言われています(※1)。
前歯より奥歯のほうが抜けやすく、親知らずの手前にある「第二大臼歯」は最も寿命が短く50年ほどで抜けてしまいます。寿命が最も長い歯は下あごの前歯で、66年ほどです。このため70歳前後で抜けていってしまうのです。
なぜ歯が抜けてしまうのか
実際のところ、歯そのものに寿命があるというわけではありません。歯並びや生活習慣などさまざまな原因によって、一定の年齢で歯が抜けやすくなります。これらが歯の「寿命」の正体です。 歯が抜けてしまう原因は以下のものがあります。
・歯周病や虫歯
歯が抜けてしまう原因で最も多いのが歯周病です。
歯が抜けてしまう人の4割が歯周病(※2)だと言われています。歯周病は痛みや出血を引き起こし、歯を支える骨が溶けて最終的には歯が抜けてしまうこともある病気です。
次に多いのが虫歯です。虫歯によって歯が失われる人の割合も全体の3割と、非常に多いのが特徴です。
・噛み合わせた際の衝撃
歯に大きな負担をかけることも歯が抜ける原因です。
歯を食いしばったときの負荷も歯の寿命を縮めてしまっています。繰り返し歯に負荷を与えることで歯が割れてしまうこともあります。
食いしばりだけでなく、歯ぎしりや噛み合わせの悪さによって歯に負荷が加わるため、年月が経つにつれて歯を失ってしまう原因や歯周病を進行させてしまう原因になります。
・ストレスや悪い生活習慣
日常のストレスや暴飲暴食が、歯や歯を支えている歯茎に悪影響を与えてしまいます。
摂取する栄養バランスが偏ることによって、抵抗力が下がり歯周病を悪化させます。
歯の寿命をのばすには?
入れ歯などに頼らず、いつまでも自分の歯で生活するためには次の方法を実践してみると良いでしょう。
・定期的な虫歯と歯周病ケア
歯を失わないためには、日ごろから歯のケアを行うことが大切です。虫歯や歯周病を予防するには、定期的に口内細菌の塊(プラーク)を除去するようにしましょう。
ポイントは、ゴシゴシと強く磨かないことです。強く磨くとプラークが歯茎に溜まりやすくなります。歯ブラシの毛先が歯と歯茎の間に入る程度に留め、そこから小刻みに動かしましょう。
また、ブラッシングの後に歯間ブラシやフロス、糸ようじを使うことで、歯ブラシだけでは落とせなかったプラークを落とすことができます。家にいる場合は、毎回歯間ブラシなどもつかって汚れを落とすことをおすすめします。
・悪い噛み合わせを改善する
噛み合わせが悪かったり誤った噛み癖があったりする方は、噛み合わせを治療しましょう。
噛み合わせの治療をすれば、歯の負担が減るだけでなく、歯が原因となる病気(顎関節症など)を予防することができます。
・食事や生活習慣の見直し
栄養の偏った食事や生活習慣を正すことも、自分の歯の存続につながります。
バランスのとれた食事と生活をすることで、免疫力が高まり、歯が長持ちするようになります。
バランスのとれた食事を作るのが難しいという方は、管理栄養士監修のお弁当が届く宅配弁当サービスを使うことも方法の一つです。
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また、タバコは歯周病を進行させる傾向があるため、喫煙者は禁煙をすることをおすすめします。
定期的なケアをすることで高齢になってからも自分の歯を維持することができます。
バランスのよい食事と生活習慣と、定期的な歯の検診を取り入れることで、80歳になっても20本近い本数を存続させることができるでしょう。
何歳になっても美味しく食事をするために、自分の歯の寿命をのばすよう心がけましょう。
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記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)