老人ホームで医療費が控除?知って得する、税金控除の施設と条件
2017.11.24
高齢者の方のために、いざ老人ホームを探すとなると、介護付き有料老人ホームや、特別養護老人ホームなど様々。特徴を調べたり、相談したりしてどこに入居するかを決めていくかと思います。ただ、その中でもう一つ知っておくと得するのが施設によって「控除」があること。では、どの施設が控除の対象になるのでしょうか?
老人ホームによって、控除される?
老人ホームで控除が受けられるの?と疑問に思うかもしれませんが、施設や特定の条件に該当するのであれば、実は控除が受けられるのです。高齢者にあった、良い老人ホームを選んで入居し、さらには控除が受けられるとあればありがたいですよね。
では、具体的に何の控除が受けられるのか、紹介していきます。
○基本的に控除されるもの
上記二つが控除の対象となるものです。
まずは、「扶養控除」についての条件やどのくらいの控除を受けられるのかについて見ていきましょう。
・納税者と生計を一(いつ)にしている:例えば、介護の関係で親の税金を支払っている、生活費を共にしていることを指します。
・年間の合計所得が38万以下(給与所得は103万以下):配当や利子、退職金も含み算出します。年金所得のみ場合は、その額と年齢を考慮され、控除した分を算出します。
・年齢による控除額の差:その年の12月31日現在の年齢が70歳以上の方を「老人扶養親族」といいます。その場合の控除額は、同居をしている場合は58万、同居をしていない場合は48万になります。また、70歳未満(特定扶養親族を除く)で老人扶養親族に該当しない一般の扶養親族は38万と、10万の差があります。
補足として、控除額の差がうまれる「同居か否か」の判断基準についてご説明します。例えば、老人扶養親族に該当する高齢者の方が病気で1年以上入院する、となった場合には同居とみなして良いとされます。一方、終のすみかとして老人ホームに入居する場合は、別居とみなされ額に変動があります。
医療費控除を受けられる施設は?
次は、医療費控除です。どの施設に適用されるかも大事ですが、適用範囲も知っておくと良いでしょう。
施設名 | 医療費控除の対象 | 医療費控除の対象外 |
---|---|---|
指定介護老人福祉施設 【特別養護老人ホーム】 指定地域密着型介護老人福祉施設 | 施設サービスの対価(介護費、食費及び居住費)として支払った額の2分の1に相当する金額 | ①日常生活費 ②特別なサービス費用 |
介護老人保健施設 | 施設サービスの対価(介護費、食費及び居住費)として支払った額 | ①日常生活費 ②特別なサービス費用 |
指定介護療養型医療施設 【療養型病床群等】 | 施設サービスの対価(介護費、食費及び居住費)として支払った額 | ①日常生活費 ②特別なサービス費用 |
上記が国税庁として定めた、医療費控除が受けられる施設と、その対象になります。
また、日常生活費にあたるものって具体的に何?特別なサービスって?というところもあるかと思いますが、「理美容代、その他施設サービスで提供される内、日常生活においても必要とされるものの費用で、入居者に負担させるのは適当とされるもの」と定められています。
続いて、特別なサービスとは、例えば、施設にて参加者を募って活動をするクラブなどの場合です。それら活動にかかる費用に関しては控除の対象にはなりえません。
ただ、入居者のおむつ代については、介護保険給付の適用となり、自己負担額分は医療費控除の対象となりますので、こちらも覚えておきましょう。
そして、忘れてはならないのが領収書をとっておくということ。確定申告時などで必要になるので適宜確認し、なくさないように注意しましょう。
お金の話だから難しく感じるけど…
医療費控除、扶養控除、それぞれの条件や適用される施設について、もしかしたら該当していたりはしませんか?
お金に関する話になるので、少々複雑に感じるかもしれませんが、条件に該当し、控除できるのであればかなりお得です。あるいは、老人ホーム選びの参考などにしてみてもいいかもしれません。
また、もっと老人ホームのことを知りたい、老人ホーム選びに困っている、などがあれば、お客様のご家族に合った、老人ホーム探しのお手伝いをいたします。シニアのあんしん相談室までご相談ください!
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)