認知症と物忘れの違いって?確認や接し方、どう気をつけたらいい?
2017.11.22
最近、両親のもの忘れがひどいから認知症かも…と疑ってみたものの、それを確かめようにも大切な家族を傷つけてしまうのでは…という不安との間で板ばさみになっていたりしませんか?大切な家族のことだからこそ、その場合の正しいアプローチや、認知症・物忘れの違いを知っておくと良いでしょう。
大切な家族を傷つけないためにできること
家族に認知症の疑いがある場合、そのまま検査に連れて行くというのが解決策ではありますが、認知症の疑いをかけられてしまった家族は傷つき、検査を行くのを恐れる可能性があります。
また、認知症というのは、本人に自覚がないわけでありません。実は本人が最初に異変に気づいていたりするケースも多々あります。そこから、徐々に忘れ物が増え、できないことも増えるので、本人はとても不安になるのです。そのため、周りが自分を貶めているのではないかと、妄想的になり、疑心暗鬼の状態になることも。
そして、実際に家族から病院に行こうと言われてしまうと、「もの忘れなんてしていない!」「認知症ではない!」など、疑われてしまった自衛の反応として、つい出てしまうのです。 認知症の理解の第一歩として、その本人が一番辛いということをまず理解してあげましょう。
認知症の人ではなく、一人の人間、大切な家族だということは忘れないでください。大切な家族が、少し忘れっぽくて、それを自然と助けてあげるような優しさで接するようなイメージです。
また、検診を受ける場合には「一緒に受ける」と声をかけてあげ、不安を和らげてあげることも大事です。
それって、認知症?それとも物忘れ?
ところで、大切な家族が認知症の疑いがあるかもしれない、だけど、もの忘れの可能性もありそうといった場合、何を基準に判断すれば良いのでしょうか?
○正常なもの忘れのケース
- ・前日、具体的に何を食べたか思い出せないなどの一部のもの忘れ
- ・自覚がある。(忘れたことに対して思い出そうとする)
- ・新しいことを覚えたり、テレビなどの内容理解できる
- ・もの忘れがそこまで日常に影響していない
- ・被害妄想などがなく、普段通り
○認知症の疑いのあるケース
- ・出来事自体を思い出せない。時間や場所がわからない。
- ・もの忘れの自覚がない
- ・話の内容がちぐはぐで、知ってる道でも迷う。新しいことを覚えられない。
- ・もの忘れを原因に日常生活に支障をきたしている。
- ・被害妄想があり、人格も変わる。
- ・行動意欲が著しく低下する(着替えをしない、好きなことに興味を示さないなど)
上記が、認知症ともの忘れの違いの判断基準となっていますので参考にしてみてください。
また、もの忘れが軽度の場合でも、失語症、軽度認知障害の可能性もあるので過去記事などを読んで、確認しましょう。
他にも電話で認知症を確認できるサービスもあるので、気になる場合は病院に行くといった手段とは別に、利用を検討してみてもいいかもしれませんね。
認知症の治療が確立されていないとしても
現状、認知症には、効果的な治療方法は確立されていないといいます。治療といっても、症状を軽くし、進行を抑えるのがほとんどです。 しかし、方法が確立されていないとしても、認知症を効果的に治していく方法がないわけではありません。
それは「早期発見」によって可能になります。
大切な家族に、少しでも認知症の症状に近いようなことがあれば、コミュニケーションをとりつつ、早期検診、早期発見のための行動をとりましょう。早めの対処が、大切な家族との大切な時間を増やすことに繋がるでしょう。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)