ヒートショックに気をつける前に 入浴介助を知っておこう!
2017.11.17

毎年、多くの高齢者に危険を及ぼす「ヒートショック現象」。冬が近づくと、湯船に浸かる機会も増えてくるため、今の時期から注意していきたいもの。
ただ、ヒートショックだけでなく、高齢者が快適に過ごせるよう、入浴に気を配ることも大切。今回は、高齢者の入浴を快適にするための「入浴介助」について説明していきます。
ヒートショックの対策は過去の記事も参考にしてください。
そのお風呂の入り方がヒートショックで死を招く!正しい入浴方法とは?
快適に入浴するための入浴介助、まずはどうしたらいい?
入浴は、日々生活をしていく中で欠かせない習慣の一つです。さらに、身体も綺麗にしてくれると共に、血行が促進されることでリラックス効果もあり、心まで癒してくれます。 また、皮膚の病気の予防、感染症の防止、疾患のある方に対しては症状の悪化を防ぐなど、衛生面を考慮しても入浴はやはり欠かせません。
さて、日常において欠かせないこと、メリットがあるということはわかったけれど、入浴介助を行うために、まずはどんな準備をしていったら良いのでしょうか?
具体的に紹介していきましょう。
○用意するもの
- ・タオル(湯冷めしないよう、すぐ拭ける大きなもの、吸水性に優れたものが良い)
- ・着替え
- ・ボディソープ(石鹸も可。)
- ・ボディタオル
- ・シャワーチェア
- ・転倒防止の浴槽マット
- ・薬(皮膚の薬、処方されているもの)
- ・水分補給ができるもの(水など)
○介助者が身に付けるもの
- ・エプロン(水を吸収しないもの)
- ・水が入らず、滑りにくいゴム製の靴
- ・手袋(ゴム手袋、ポリエチレンの手袋など。)
上記は事前に準備必須です。もし、忘れてしまい取りに行くとなった場合、高齢者を1人にしないよう注意してください。
また、事前に脱衣所・浴室は温めておき、ヒートショックにも気をつけておきましょう。
寒暖差があると、身体への負担がかかります。目安としては、介助者が少し暑く感じる程度に温めておくのがベストです。
入浴前、入浴時、入浴後にすべきことは?
続いて、気持ち良い入浴を高齢者に提供するために行うべきこと・気をつけるベきことを、各段階に分けて説明していきます。
○入浴前にすべきこと
- ・バイタルチェック:顔色、食事の量、体温、血圧など、体調の確認をしましょう。
- ・トイレ:トイレを済ませたことも確認しておきましょう。
- ・脱衣所、浴室を温める:脱衣所には暖房器具、浴室は浴槽に水を溜め、シャワーで全体を温める
○入浴時にすべきこと
- ・シャワーチェア、浴槽マットの準備:冷たくなっている場合はシャワーで温めてあげましょう。
- ・シャワーの温度確認:介助者自身でまずは、温度を確かめましょう。
- ・頭皮を洗う:指の腹でていねいに。頭皮に異常がないかも確認しましょう。
- ・身体を洗う:高齢者に聞き、順番に洗ってく。特に要望なければ末梢神経系の集まる足を温めてから、上へ。
- ・浴槽につかる:身体のどこを支えているか高齢者に声をかけながら、浴槽に誘導します。
○入浴後にすべきこと
- ・めまいで倒れないようゆっくり立ってもらう:急な血圧の変化でめまいが起こる場合があるので注意。
- ・着替え:タオルでしっかり拭いた後、ふらつくことも考慮し椅子に座ってもらうようにしましょう。
- ・水分補給:入浴後の補給は大事なので必ず摂るようにしましょう。また、摂取後、体調が悪くなったりしていないかを確認します。
入浴前、入浴中、入浴後と、注意すべきことや気に掛けるべきところは、事前にしっかり確認しておきましょう。
正しい入浴介助で、快適な入浴を提供しよう
高齢者の体調を考えながら、さらには快適に入浴してもらえるよう、心がけていきましょう。
「自分1人で入浴介助は難しい…」という場合は、訪問入浴やデイサービスによる入浴のお手伝いなどがあるので検討してみてはいかがでしょうか。
ただ、選択肢があっても、どこにしようか、どうしたらいいのか、何がいいか分からないという場合は、シニアのあんしん相談室までご相談ください。

記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)