「地域密着型」の介護サービスとは?要支援は受けられないサービスも
2017.10.20
介護を要する高齢者にとって暮らしやすい日常を提供することが目的の地域密着型サービスは、時代と共に年々ニーズが高まりつつあります。
サービスの種類も多様化しているため、なかなか一度に把握することは大変ですが、ここでは予習と復習を兼ねて、今一度地域密着型サービスの内容を振り返ってみることにしましょう。
覚えておきたい!地域密着型サービスの種類
以前本欄で、地域密着型サービスについて簡単に紹介しました。今回はもう少し詳しくご説明しましょう。 別記事「地域密着型通所介護事業とは?普通の通所介護と何が違う?」でも触れたように、地域密着型サービスとは、事業所のある市区町村で生活する要介護認定を受けた人に限って受けられる介護サービスのことを指します。
厚生労働省のサイトによれば、地域密着型サービスには、
- ・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
- ・夜間対応型訪問介護
- ・地域密着型通所介護
- ・療養通所介護
- ・認知症対応型通所介護
- ・小規模多機能型居宅介護
- ・認知症対応型共同生活介護
- ・地域密着型特定施設入居者生活介護
- ・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
- ・複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)
上記10種類があります。(記事によっては一部区分が異なり、これ以外のサービスも含みます。また市区町村によっても受けられるサービス、基準が変わりますのでその地域の福祉課、ケアマネージャーなどに確認してみましょう。)
要介護状態の高齢者が住み慣れた地域で生活できることを目的に2006年(平成18年)に導入され、以降少しずつ項目が追加されています。
認知症対応型通所介護と小規模多機能型居宅介護の内容
では、上に挙げた10項目の中から、地域密着型サービスによって利用者が受けられるサービス内容の一例を簡単にご紹介しましょう。
・認知症対応型通所介護
医療機関で認知症との診断を受けた人のみが利用できる介護サービスです。実際に介護施設に足を運び、基本的な生活支援をそこで行い、家族の介護負担を減らします。
・小規模多機能型居宅介護
事業所への「通い」「泊まり」、自宅への「訪問」を組み合わせて介護プランを計画できる便利な介護サービスです。
要支援だと受けられない地域密着型サービスは?
一方地域密着型サービスの中には、要支援度の状態によってサービスを受けられないケースがあります。 以下のサービスは要支援1および2の利用者では受けられません。
- ・夜間対応型訪問介護-本欄記事「夜間対応型訪問介護とは?利用するメリットや料金について」参照
- ・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護-常時介護が必要な方向け。日常生活のための機能訓練なども行っている。定員30人未満。
- ・定期巡回・随時対応型訪問介護看護-24時間体制で365日休みなくサービスを提供
- ・地域密着型特定施設入居者生活介護-施設で生活しながら介護を受けるサービス。定員30人未満。
- ・看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)-本欄記事「看護小規模多機能型居宅介護とは?小規模多機能型居宅介護との違い」参照
以下のサービスは要支援1では受けられません。
- ・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)-少人数の認知症高齢者が共同生活を送るサービス。このサービスは要支援2ならば予防給付することで利用ができます。
ちなみに、自分が希望する地域密着型サービスを受けたくて居住地以外に住民票を移すケースがありますが、地域によってはこうした行為に対し、事前届出書の提出を求めるなど厳しく取り締まっています。あらかじめ条例に抵触していないか確認しておくべきでしょう。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)