地域密着型通所介護事業とは? 普通の通所介護と何が違う?
2017.10.18
地域密着型通所介護事業は、小規模な通所介護(デイサービス)の事業所が日帰りで介護サービスを提供する事業。普通の通所介護が定員19人以上なのに対して地域密着型通所介護の定員は18人以下で、費用の面や利用対象者の居住区域にも違いがあります。
「通所介護」から派生した地域密着タイプの介護事業
地域密着型通所介護事業とは18人以下の小規模な通所介護(デイサービス)の事業所で、食事や入浴等の日常生活支援や、生活機能訓練などのサービスを日帰りで提供する事業を指します。これによって介護を受ける利用者の心身機能の向上と介護を受け持つ家族の負担を軽減することを事業目的とします。
2016年(平成28年)4月1日より導入されたこの区分は、それまで単一の「通所介護」だった枠から、利用者定員によって「通所介護に該当する事業所」と「地域密着型通所介護の事業所」の2つに区分されました。
同時に、それまで事業所の指定は都道府県の管轄だったのが、市区町村の管轄に変わりました。これによって地域との連携を今まで以上に強めることが、狙いの一つです。
地域、会議の義務、費用…通所介護と地域密着型通所介護の違い
冒頭でも記した通り、地域密着型通所介護の定員数は18人以下で、通所介護は定員数が19人以上という規定があります。では定員数以外で違う点はどこでしょう?
地域
通所介護は利用者の住所に関係なくサービスを受けられるに対し、地域密着型通所介護のサービス対象は原則として事業所のある市町村の住民限定です。ただし、市町村の同意を得ることで他の地域の方も利用できる施設も一部あります。
費用
一例として、要介護2の人が通常の介護サービスを受けた場合の自己負担額を比較してみますと、通所介護では3~5時間で872円、5時間~7時間で1352円、7~9時間で1550円なのに対し、地域密着型通所介護では3~5時間で976円、5~7時間で1514円、7~9時間で1736円となります。
このように地域密着型通所介護の方が少しずつ割高になっています。
※1単位10円で2割負担として計算していますので、ご注意ください。
他にも、指導訓練室の面積や、介護または看護職員など職員の配置人数などにも、定員数の差に伴う違いが生じています。
これだけある…「地域密着サービス」
もう一つ、地域密着型サービスについても少し触れておきましょう。
地域密着型サービスとは、事業所のある地元で暮らす要介護の人限定で提供される介護サービス体系です。
このサービスには、今回紹介した地域密着型通所介護を始め、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、療養通所介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)の10種類が属しています。
地域密着型サービスにつきましては、こちらのページでもう少し詳しく紹介します。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)