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介護ベッドを選んだらマットレスも慎重に! マットレスの選び方

2017.10.11

以前にニュースで紹介しました『介護ベッドの購入・レンタルを考えるあなたへ 注意したいポイント』という記事で、介護ベッドの選び方についてご紹介しました。
介護ベッドにはさまざまなメリットがありますが、介護ベッドを選ぶだけでは要介護者に適した環境を作っているとはいえません。
今回は、マットレスの重要性とその選び方についてご紹介します。

マットレス3つのポイントと注意点

介護ベッドを利用する場合、利用者がベッドから離れた生活を目指す場合と、1日中ベッドで過ごす状態の場合のどちらかでも、選ぶマットレスが変わってきます。
マットレスの選び方のポイントは「寝心地」「床ずれ予防」「立ち上がりやすさ」の3つがあります。
特に床ずれには注意が必要です。床ずれは褥瘡(じょくそう)とも言い、圧迫された部分の血流が悪くなり、筋肉や皮下組織への栄養が行き渡らなくなる状態を指します。最悪の場合、組織移植が必要になるほど深刻な状態になります。このため、床ずれを予防し利用者の健康を守るためにもマットレスを厳選することが大切なのです。

マットレスの選び方と2つの種類

マットレスにある3つの性能からどれを優先するかで、マットレスの選び方が変わります。

  • ■「寝心地」優先
    体が適度に沈み込む柔らかいマットレスを選びます。理想の寝姿勢の維持を目的とした方におすすめです。
  • ■「立ち上がりやすさ」優先
    身体が沈みこまない硬めのマットレスを選びます。マットレスが安定しているため、離床することを優先したい方におすすめです。
  • ■「床ずれ予防」優先
    体圧が1か所に集中しないように、体圧分散効果の高いものを選びます。身体を動かせない・動かしづらい方におすすめです。

また同じマットレスでも以下のような2種類が用意されている場合があります。

  • 通気タイプ:通気性を重視したもの。洗えるものが多く、個人利用する方に人気です。
  • 清拭タイプ:防水加工が施されているため、清掃が簡単。アルコールスプレーで清潔になります。病院など不特定多数の人が使用する施設で選ばれていることが多いです。

症状と目的でマットレスを選ぶ例

3つの症状を例にマットレスの選び方をご紹介します。

■ 元気な方(支えがあれば自立できる)

まだ元気な方や、手すりや柵など何かにつかまれば自分で立ち上がったり寝返りが打てるという方は、「動きやすさ」と「適度な硬さ」をポイントにマットレスを選びましょう。
柔らかすぎると身体が沈み込み、かえって動きにくくなることがあるため注意が必要です。
また、不自由なく1人だけで動ける場合は、寝心地を優先して柔らかい物を選ぶのも良いでしょう。

■ 乗り移り(移乗) に介助が必要な方

移乗に介助が必要な方の場合、ベッド周辺での生活が中心になると考えられます。
横になったり起きたりが増えますが、できるかぎり身体を起こしていることが望ましいです 。それは、横になっている時間が長いと、姿勢を支える上半身の筋力が弱ってしまうだけでなく、床ずれを起こしやすくなるため。 このため、端座位(ベッドの端に腰を掛けた状態)が安定するマットレスを選ぶのが良いでしょう。この場合「適度な硬さ」と「マットの縁がしっかりしていること」がポイントです。

■ 寝たきり、あるいはほとんど身体が起こせない方

寝たきりか自力で起き上がることができない方の場合、ベッドでの生活が中心となります。寝返りや起き上がり、移乗などほぼすべての動作で介助が必要となるでしょう。
ベッドの上で過ごす時間が長くなるため「体圧分散性」を重視し、床ずれを軽減することを目的にマットレスを選びましょう。

マットレスの厚みにも注意

マットレスが厚すぎると、ベッドの手すりやサイドレールの高さが活かされなくなる恐れがあります。一般的に、マットの表面から手すりやサイドレールの一番上までの距離は22cm以上あるものが良いと言われています。
ベッドの手すりなどの高さが変えられない場合は、前もって高さを測っておき適切なマットを選ぶようにしましょう。

介護ベッドを使うだけで、介護を必要とする人が楽になるわけではありません。介護ベッドを使う際は、要介護者の状態に合わせたマットレスを選ぶことが大切です。
適切なマットレスを選べば、要介護者だけでなく介助者の負担軽減にもつながりますよ。

■記事作成・監修 シニアのあんしん相談室
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記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)
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