ペットと暮らせる介護施設 有料老人ホームなどでは何割ぐらい?
2017.9.19
日本にペットブームが定着して、ペットと人生を過ごすライフスタイルがすっかり一般的になりました。
さらに最近では、動物を使ったアニマルセラピー療法の研究も進み、ペットと飼い主の関係はより親密になったといえます。
そんな時代にも関わらず、実は介護施設では「ペット不可」の所がまだまだ多いようなのです…。
高齢者がペットを飼うと医療費抑制の役に立つ?
ペットブームが長く続く現在、人間とペットの関係性はあらゆる角度から検証されるようになりました。その結果、私たちがペットと一緒に暮らすことで得られるプラス効果はかなり大きなものであることが分かっています。
高齢者が犬や猫などのペットを飼うことにより、寂しさを感じることが減った、情緒が安定した、ストレスが軽減した、生活が規則正しくなった、などの声をよく聞きますから、これらは確かにペット効果の一環といえるかもしれません。
さらにメンタルヘルスの側面からもそれは立証されていて、日頃ストレスを感じて通院する患者のうち、犬を飼う人の年間通院回数が平均8.62回、それに対して犬を飼わない人が10.37回と、大きく差が開いたというデータもあります。
ドイツやオーストラリアでは、ペットと一緒に生活することによって国の医療費が大幅に抑制されたとの効果が報告されており、ペットと暮らすことは結果的に国家の医療費削減にも繋がる効果があるのでは、と期待されているのです。
事実、日本の高齢者向け施設でも、犬が利用者の心のリハビリを手伝う「ドッグセラピー」を導入する所が増えつつありますから、今後ますます注目を集めそうです。
有料老人ホームとサ高住、東京でペットが飼える件数は?
在宅介護ならばペットを飼うことは問題なさそうですが、これが施設介護の場合はどうなのでしょうか? そこで、当サイトの「全国の老人ホーム・介護施設検索」を使って、現在東京都エリアでペットとの入居が可能な民間介護施設の数を調べてみました。(数字は2017年8月22日現在)
まず介護付き有料老人ホームの場合、全体563件の施設がありますが、そのうちペットとの入居が可能な施設は104件と、全体の2割弱しかありませんでした。
次に住宅型有料老人ホームでは、全体数56件、うちペットとの入居が可能な施設は18件。
そしてサ高住では、全体数139件中、ペットとの入居が可能だった施設は84件でした。
このように、ペットと一緒に入居が許可されている介護施設は東京都内にもあるにはありますが、有料老人ホームでは一部のみという現状です。
ペットと一緒の介護生活が希望の人は、まず検索!
ちなみに全国水準ではどうでしょうか。エリアを全国に広げて同様の調査をしてみました。
介護付き有料老人ホームは、全体数1,933件中ペットと入居可の施設は420件。
住宅型有料老人ホームでは、全体数548件中ペットと入居可の施設は145件。
サ高住では、全体数739件中、ペットと入居可の施設は413件。
ペット可能な施設比率に関しては、東京と全国で大きな差は見られませんでした。
もしあなたが将来、自分の愛するペットと一緒に施設入居を…と考えているならば、是非【シニアの安心相談室】で検索して、気になる施設に問い合わせをしてみてくださいね。
ペット可の施設特集記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)