小規模多機能型居宅介護 まるで在宅介護の救世主?
2017.9.11
介護サービスには多くの種類があり、全部理解するのは大変です。その中で、色々な介護サービスの便利な部分をミックスした、まるで介護業界の救世主のようなサービスがあるのをご存知でしょうか?
在宅介護も選択肢の一つですが…
被保険者のいる世帯では、現在様々な事情から、有料老人ホームなどの施設での介護ではなく在宅介護を検討している家庭も多いのではないでしょうか。
在宅介護であれば時間的な制約を考えなくて済みますし、在宅介護支援サービスの利用頻度を調整することによって介護にかかる費用を抑えることも可能です。
一方で、介護する側の親族や世帯に負担がかかるリスクもあります。
そんな在宅介護をこれから始めるという方に、是非知っておいて欲しい、介護サービスがあります。それが小規模多機能型居宅介護です。
3つのサービスが一体化した新形態
小規模多機能型居宅介護とは、2006年4月の介護保険制度改正とともにスタートした地域密着型サービスの1つです。
1事業所当たりの1日の定員登録数は29名以下で、最大の特徴は「通い(通所サービス)」「泊まり(ショートステイに近いサービス)」「訪問(訪問サービス)」の3形態が一体になっている点。利用者の選択に合わせて「通い」「泊まり」「訪問」を組み合わせたサービスを受けることができます。
24時間切れ間無く、利用者の希望を受け止め、叶えることを基本理念としているこのサービスは、3形態の合わせ技によって、利用者に在宅生活をし続けることを可能にしています。
「通い」は小規模多機能型居宅介護の中心軸となる、デイサービスと同じ通所サービスで、定員はだいたい15名以下。プログラムが一人一人自由に作成できるため、時間的制約がありません。
「宿泊」は短期間の宿泊を行うサービスで、定員はだいたい9名以下。内容はショートステイに近いのですが、ショートステイのように事前に日程を決めておく必要は無く、急な宿泊にも対応可能です。
さらに「訪問」は、利用者の様態や希望によって使えるサービスです。一般の訪問介護のような時間面や内容面での規定が無いため、「通い」と折り合わせれば一層便利に活用できます。 小規模多機能型居宅介護の利用料金は1ヶ月の定額制で、いずれもケアプランに沿った利用となります。この部分は他の介護サービスと変わりません。
これから選ぶ人は、是非ご相談を!
介護支援サービスには、家族の介護負担が重い順に、在宅介護・訪問介護・通所介護・ショートステイ・施設介護とありますが、小規模多機能型居宅介護はこのちょうど中間に位置する、負担の少ないサービスとなります。
ただし、ケアプラン作成にあたっては今までのケアマネージャーから小規模多機能型居宅介護専属のケアマネージャーに担当を変更する必要があるのと、訪問介護や通所介護などの他サービスとの併用ができない等、デメリットもありますので注意してください。
どの介護サービスにするか迷っている方、是非一度専門家に相談してじっくり検討してみてくださいね。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)