長く住むには食事の質も重要!介護施設の入居前に確かめるべし
2017.7.7
介護施設での生活はショートステイなどの例外を除けば、大抵の場合長期に及びます。
長い施設生活は何かと行動に制限が増えるもの。だからこそ、毎日の食事が何よりの楽しみと考える人も少なくありません。
そこで今回は、施設における食事のあり方について考えてみましょう。入居先をお探し中の人は是非参考になさってください。
サ高住入居者の声…「食事が期待外れ」が多数
今年3月、一般財団法人「サービス付き高齢者向け住宅協会」が全国のサ高住入居者2,391人から取ったアンケート(複数回答あり)によると、「入居後満足した点」の質問で「食事内容」と回答したのが690人(全体の約29%)でした。これは選択16項目のうちの13番目の多さで、最多は「外出等自由」の1,139人でした。
対して、「入居後期待外れと感じた点」の質問で「食事内容」と回答したのは419人(全体の約18%)。これは16項目中最多でした。しかも2番目に多い「友人など新しい生活」が190人ですから、圧倒的大差と考えてよいでしょう。 以上の結果を見てもわかるように、サ高住などの施設における食事の役割がいかに重要であるかを感じ取ることができます。
サービス付き高齢者向け住宅協会 アンケート調査
サ高住と有料老人ホームの食事の差は?
介護施設の食事に対する対応にはそれぞれかなりの差があります。献立や栄養バランスなどを熟慮している施設がある一方で、三食とも宅配弁当で賄っている施設もあります。
サ高住では、キッチンの整備が行き届いている所が多いです。キッチンの施設が整っているので、入居者は自由な時間に好きなメニューの食事を作ることが出来る利点があります。ただし自分がメニューを決定するということは、食事が偏ってしまう懸念もあります。
その点、専門の調理師が調理を行う有料老人ホームには栄養が偏る心配はありません。外部の給食センターに献立を委任する場合も同様です。
施設で調理をする場合、仕入れた食材から作るケース、レトルトから作るケース、出来合いの献立をレンジで温めるだけのケースなどいろいろな作り方があります。入居先を決定する際には、こうした食事内容の詳しい工程についてもきちんと確認しておくべきです。
安心できる生活のため、事前チェックは入念に!
食事に工夫を凝らす施設になりますと、季節のイベントにちなんだメニューを考えたり、入居者が育てた野菜を食材として使ったり、メニューのリクエストを取ったりと、工夫を怠りません。「美味しく食べる」以外に「楽しく食べる」ことに力を注いでいる成果でしょう。長く生活する施設を選ぶ場合、これもやはり大切なポイントです。
そしてもう一つ大切なのは、高齢や健康状態の影響で食べにくくなった入居者に対して、スタッフが適切な食事サポートをしてくれているかです。これはパンフレットやサイトだけでは見極めが困難でしょう。 そのためにも、見学や体験入居が可能な施設であれば、積極的に足を運んでみましょう。そこで実際に食事を試食してみるだけでなく、他の入居者から食事に対する生の声を聞いてみたり、スタッフの配膳の動きを観察したり、食器が高齢者にとって使いやすい物であるかの確認をしてみてください。
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記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)