歌って動いて脳を活性化!参加型音楽療法とは?
2017.7.4
多くの施設では様々なレクリエーションが生活の中に取り入れられています。
フェリエドゥ稲田堤では定期的に外部の講師を招いて音楽レクリエーション(音楽療法)を行っています。
今回、音楽レクリエーションを行う音楽療法士のお二人(小田様・工藤様)にお話を伺いました。
音楽療法を行う中で感じる利用者様の変化やエピソードを紹介します。
今回取材にご協力くださいました『フェリエドゥ稲田堤』様および音楽療法士の小田様・工藤様には改めて感謝申し上げます。
音楽療法士のお二人にインタビュー
【利用者さんの変化を感じることはありますか?】
最初の1回目、2回目はあまり反応がなかった方たちが徐々にお顔の表情が柔らかくなったり、一緒にお歌を歌われたり、終わった後で、「楽しかったわ」というお声がけがあったりと少しずつ反応をいただけるようになります。
【どんな変化がありますか?】
「今腕を上げてください」というと、腕が痛くて上がらないという方も、楽器や布など物を持っていると、意外と皆さん、普段動かない腕が上まで上がったりします。
スタッフさんが結構びっくりされて、「普段絶対にあんなことしないです」ということを歌いながら楽しんでいただいています。
【嬉しい瞬間はありますか?】
本当は音楽療法なので、歌った後でその日のみなさんの状況を伺えると一番良いんですけど、次の機会に良かったというお話が聞けたときは、嬉しいです。
見学で見に来ていただいた方が、音楽療法がすごく良かったと施設さんの評判になると私たちも嬉しいです。
【どんな内容ですか?】
参加型の音楽療法です。
「さあ、歌いましょう」という参加型よりは割と自然に体を動かしたりしています。
セッションの中で指を使った体操をしていただくことがありますが、指を動かすと連動して脳が働きますので、いろいろな病気の予防に良いのですが効用を伝えると、皆さん一生懸命なさるんですよ。
【印象に残っているエピソードは?】
ある利用者さんがどんどんお身体が悪くなられて、それまでも反応は割と薄かったんですけど、車いすで参加されていました。そんな状態でしたが、音楽療法の時間がお好きだということで頑張って来てくださっていました。
あるとき、その方が参加されていませんでした。すると、音楽療法の時間が終わった後にご家族の方から「ベッドサイドまでキーボードもバイオリンも持ってきていいので、弾いてもらえますか?」とのご要望がありました。
ひと月に1回しか施設さんに伺っていなかったので、「次はお会いできないと思います」とご家族の方から言われながら、ベッドサイトでお座敷小唄や他に2,3曲歌いました。もう周りのスタッフさんも泣かれて、「さようなら」って帰ったら、次に伺ったときに、すごく元気になっていらっしゃいました。以前よりももっとお元気になられていました。
別のある方は、ベッドに寝た状態で参加されていました。もう本当に数日で亡くなられた方だったのですが、 次に施設さんに伺った時にご家族の方が「あのとき一緒に歌った歌が一生忘れられない歌になりました」とおっしゃっていただきました。
【この仕事の楽しいところは?】
私たちも情が移るというか、私たちのおばあちゃまのように感じるので、具合が悪そうだったら心配だし、お元気になれば嬉しいです。
それがこの仕事の楽しいところだと思います。
取材の際、実際に音楽レクリエーションに参加させていただきました。
音楽療法士のお二人が、参加されているご利用者様をどんどん巻き込み、楽器を使いながら皆で一緒に歌を歌って、体も使って、とても楽しく元気になれる時間だと感じました。音楽も知っている曲が多く、だれでも参加できて、参加することが楽しみになるレクリエーションでした。
このようなレクリエーションを行うことで、心も体も元気になれる方が多くなると良いですね。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)