高まる受動喫煙防止の動き 老人ホームも禁煙に?
2017.6.14
現在の高齢男性の中には、若い頃タバコを欠かさなかったヘビースモーカーの人も多かったはず。その中で現在も喫煙習慣を続けている人にとっては、近年の受動喫煙防止の潮流はさぞかし肩身が狭いことでしょう。 そんな動きの中、公共施設である老人ホームの喫煙って、可能でしたっけ?それとも施設なので禁煙でしたっけ?
新たに生まれた選択条件「喫煙OK?だめ?」
周辺の喫煙者から流れてくるタバコの副流煙による「受動喫煙」の健康被害が、世界的に問題視されるようになってからかなりの年月が経ちます。
日本でも最近は大多数の公共施設で禁煙が謳われるようになりました。もちろん高齢者が集まる介護福祉施設も例外ではありません。
介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅などに新たに入所を検討している利用者の中には、選択条件の一つに「うちの父は愛煙家だが、このホームではタバコを吸えるだろうか?」というポイントを置いている人がいるかもしれません。あるいは全く逆のケースで、タバコを吸わない人が「このホームは禁煙だろうか?」「受動喫煙に気を揉む心配はないだろうか?」を念頭に施設を探しているかもしれません。
老人ホームのタバコ問題は、吸う人にとっても吸わない人にとっても悩ましき問題です。
日本のタバコ対策は「世界最低レベル」だった?
日本はかねてから、タバコに対する配慮が世界的見地からすると遅れ気味だ…と指摘されていました。 厚生労働省の国民健康栄養調査によれば、2015年時点で国民の喫煙率はおよそ18%ですが、公共施設におけるタバコの受動喫煙禁止事項の法制化については欧米諸国と比較してかなり遅れており、WHO(世界保健機構)が「日本の対策は世界最低レベル」と指摘したとの報道もされました。
事実、肺がん・脳卒中・心疾患等の直接的な健康被害が報告されているのが受動喫煙です。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を控えて、これまで公共施設の管理者には「配慮を要請する」レベルだった日本が、世界レベルを目標に、公共施設でのより具体的な受動喫煙禁止を盛り込んだ法案の原案を今年3月国会に提出するに至りました。
当然この中には介護施設も含まれていて、介護現場におけるタバコの規制については以下のような内容の規定が組み込まれています。
「原則的に建物の中は禁煙」
「間仕切りのある専用喫煙室でも設置禁止」
「現在喫煙室がある施設は法施行から5年間は設置が認められる」
今まで日常的に喫煙していた人はかなり驚いたかもしれませんが、今後これらの指針が、全国の特養やデイサービスなどの介護福祉施設や事業所で適用されてゆく流れとなります。
ただし個室なら喫煙OK!
世界的な健康被害防止の潮流からとはいえ、長年老人ホームでタバコを吸う習慣があった利用者からしてみれば、この「これからどうしたいいんだろう?」という気持ちが拭えきれないところでしょう。 しかしご安心を。厚生労働省の公布した「受動喫煙防止対策の強化について」という資料によれば、施設内でも「個室ならば喫煙OK」とのことです。個室なら副流煙に気を遣うことはありませんね。 喫煙習慣のある高齢者の方で、今後もし介護施設を探そうとお考えであれば、個室が有無も確認するようにしましょう。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)