杖をなんとなく選ぶのはNG! 高齢者の相棒「杖」の選び方
2017.6.2
高齢になるにつれ足腰が弱くなっていきます。歩行を安定させたり、姿勢を支えたりするために杖を使う方は多くいます。
ただし、杖には自分に合った理想的な寸法があるため、選ぶ際には注意が必要です。「なんとなく」で選んでしまうと杖の効果が半減してしまうかもしれません。
ここでは、自分の身体に合った杖・ステッキの選び方をご紹介します。
杖の選び方
杖は握る部分を「握り」、地面につく部分を「ゴム先」といい、握りとゴム先の間を「柄」と言います。 杖の選び方は以下を参考にしましょう。
・握りの選び方
杖で一番大切なのが握りです。
手の大きさや握力は人によって異なります。このため、力を入れやすい太さの握りを選ぶようにしましょう。
また、握りには材質の違いがあります。ゴムはすべりにくく使いやすいというメリットがありますが、汗をかくとべたつきやすいという一面があります。一方で木のタイプは、べたつきは起こりませんが、グリップ力が落ちてしまうのが特徴です。
握りやすさや材質を意識して選ぶようにしましょう。
・杖の高さ(柄の長さ)の目安
柄の長さは握りの高さを決めるために大切なものです。杖の適切な高さは、直立して腕を下ろしたときの手首の高さに握りがくるのが目安です。
また、腰骨の一番出っ張ったところに握りがくる高さも、もうひとつの目安です。
使う人の姿勢によっても適切な高さが変わるので注意しましょう。
背中が丸くなったやや前傾姿勢の方は、先に紹介した長さから2~3cm短めにするとよいと言われています。
大きく腰が曲がり直立した身長との差が大きい場合は、前傾した状態の身長を2で割って3cm足した高さがおすすめです。
柄の長さを決めるときは、普段履いている靴を履いて調節するようにしましょう。
杖を利用するときは
両足ともに健常であればどちらの手で持っても問題ありません。しかしどちらかの足が不自由な場合、杖は健常な足の側の手で握るようにしましょう。
杖を握るときは、柄を人差し指と中指で挟み、柄の直線上に親指と人差し指の間が当たるように握ってください。
杖の先は足先の前方20cmあたりにつきましょう。このとき、ひじが30度から40度曲がっているのが理想です。
杖を利用することで、転倒予防になりますし、身体への負担を軽減することができます。
しかし、常に杖を使ってしまうと自分がもつ本来の身体機能を落としてしまう恐れがあるので注意しましょう。杖を初めて利用することになった際は理学療法士などの専門家に相談することをおすすめします。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)