梅雨から夏にかけて要注意! 高齢者の介護のポイント
2017.5.31
梅雨から夏にかけて、高齢者にとって過ごしにくい季節が続きます。
特に介護を必要とする方が身近にいる場合は、夏の熱中症対策だけでなく梅雨の時期から注意が必要です。
ここでは、梅雨から夏にかけて注意したい介護のポイントをご紹介します。
汗による蒸れはかぶれの原因に
湿度が高くなる梅雨と夏。当然汗による「蒸れ」も起こりやすくなります。
蒸れは肌がかぶれる原因になるため、こまめに対処しましょう。
おむつを利用している場合は頻繁に交換してください。
また、毎日の入浴が困難な場合は、おむつを交換する際にお尻を清潔にしなければいけません。
- おむつ交換する際は次のステップで皮膚を清潔に保つことをおすすめします。
- 1.おむつを開く
- 2.排尿・排便・皮膚の状態をチェック(健康状態の確認)
- 3.蒸しタオルやガーゼ、ウェットティッシュで拭き取る
- 4.横向きに寝返りをうたせ、石鹸をつけた濡れタオルで拭く
- 5.ぬるま湯で洗い流しながら全体を拭く
- 6.新しいおむつをつける
梅雨になると、おむつをつけているだけで汗をかいて蒸れてしまいます。汚れていなくても一定の時間をおいて交換することをおすすめします。
知らぬ間に脱水症状に
夏は脱水状態に陥りやすく、血管が詰まって脳梗塞を起こす危険があります。
脱水症状を予防するには、1日に1.5リットルを目安に積極的に水分を摂取していきましょう。しかし、糖分が多く含まれるジュースや、カフェインが含まれるお茶、紅茶、コーヒーといった利尿作用の高い飲み物は避けてください。
介護をするときは、唇や腕、わきの下に脱水状態かどうかを見分けるポイントがあります。以下の状態が見られた時は危険です。できるだけ早く経口補水液を摂取しましょう。
- ・唇が乾燥してカサカサしている
- ・わきの下が乾燥している
- ・腕を掴んで話すとシワができたままになっている
入浴による脱水・体力消耗に要注意
浴室・脱衣所は自然と湿度が高くなるため、梅雨から夏にかけては特に注意が必要です。
浴室と脱衣所といった湿度が高い環境は汗が蒸発せず、体温調節がうまくできなくなります。体の熱を外に逃がすことができないと、体力がない高齢者はいつも以上に疲れやすくなってしまいます。
浴室・脱衣所を使用していないときは、浴室の窓を開けておいたり、脱衣所・浴室の換気扇をつけておいたりなど、空気を入れ替えて湿度を下げるようにすることが大切です。
また長風呂は著しく体力を消耗させるため注意しましょう。
お風呂上りに脱衣所に長居してしまうのも危険です。お風呂から上がった直後は、汗をかいて体内の水分が減っていることが予想されます。お風呂から出たらすぐに水分を摂取できるよう、飲み物を脱衣所に持ち込んでおくことをおすすめします。
じっとしていても体力消耗につながる?
梅雨や夏は高温多湿で活動しにくい気候が続きますが、何もせずにいるのも実は注意が必要です。家に閉じこもっていると気持ちが落ち込んでしまい、何をしていなくても疲れてしまいます。
家の中では気持ちをリフレッシュさせることが大切です。積極的に着替えをしたり、体操や階段の上り下りをしたりするなど、じっとせずに軽い運動をして気持ちをリフレッシュさせましょう。体を動かすことで、何もせずにいた時に感じる疲労を予防することにつながります。
梅雨や夏は体力を消耗しやすいため、適度に休める環境を整えることが大切です。また普段の睡眠も体力の回復と関わってきます。寝室の環境もしっかりと対策を練っておくことをおすすめします。
梅雨から夏にかけては積極的に湿度・暑さ対策を行って健康を維持できるよう心がけてください。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)