【老人性難聴】耳が遠い方への介護 適切なコミュニケーションのとりかたは?
2017.2.17
ドラマや映画には昔から「年を取ると耳が遠くなって…」という決まり台詞があります。お年寄りは耳が遠いものという固定観念は、それだけ社会に定着していたわけです。
しかし現代は超高齢化時代。老人性難聴の人でも社会参加していけるように、私たちもコミュニケーションの仕方を知っておきましょう。
難聴の様々な症状と複雑な要因
高齢になると、耳の「聞こえ」の力が衰えてきます。この病態が老人性難聴です。
老人性難聴は、高音域から聞き取りづらくなることが多いのが特徴です。また、どの方向から聞こえてくるか判別しづらかったり、早口の言葉が聞き取れなかったりするなど、症状に違いもあります。発生比率は加齢に従って高くなり、80歳以上で約80%にまで至ります。
老人性難聴は、動脈硬化や糖尿病などと密接な関わりを持つ酸化ストレスに原因があるという説もありますが、現在も明確なところは分かっていないようです。
コミュニケーション対策はどうする?
超高齢化時代に突入し、高齢者の社会参加率が飛躍的に増加した現在では、「聞こえ」の困難な人とも交流をかわしてゆくことは大切です。
しかし難聴高齢者の中には、相手の話していることが正確に聞き取れず、「何度も聞き返すのは相手に悪い」と考えてそのまま黙ってしまったり、分かったふりをしてしまったりする例もあります。そのようなコミュニケーション障害を繰り返した末、無口になってしまうとか、引っ込み思案になってしまうなど、性格にも影響を及ぼすことも珍しくありません。
そのような老人性難聴の対策の一つに、自分に合った補聴器の利用をなるべく早めに始めるというのがあります。難聴が発症したら、早めに補聴器を使い始めてトレーニングをして慣れておくと今後のためにもよいでしょう。
近年では補聴器も小型化・高性能化が進み、いろいろな形状があります。使い始める際には、自分に合った使いやすい補聴器をじっくり選択して決めるようにしてください。
シニアのあんしん相談室では、老人ホームの紹介とともに補聴器のご案内も行っています。老人性難聴以外の「聞こえ」の症状にも対応していますので、興味のある方は是非ご覧ください。
【シニアのあんしん相談室-補聴器案内-】高齢難聴者の介護に必要な「5つの心配り」
社会参加が可能な健常高齢者は、補聴器を利用することで大幅に活動の場が広がります。その一方で、高齢の難聴者を介護する場合、介護者との会話や身の回りのお世話など密接なコミュニケーションが求められ、同時に様々な配慮も必要になります。
高齢の難聴者を介護するにあたっては、以下のことを意識しましょう。いかがですか?まず、難聴者の注意を引くことで自分の存在に気づいてもらう必要があります。次に顔を見ながら話すことでコミュニケーションを豊かなものにしていきましょう。また、高齢者と1〜2mほどの距離でゆっくり大きな声で話すと、言葉のまとまりがはっきりし、コミュニケーションがスムーズになります。
是非5つの気配りを現場で実践してみてください。
参考:高齢者の難聴 参考:当院補聴器外来における老人性難聴に対する補聴器適合の現況記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)