いま注目されている! IoTで高齢者を見守るサービスとは?
2017.1.25
最近では、“ポットを使ったら家族にメールが届く”というような、「高齢者見守りサービス」の話をよく耳にするようになりました。
“もの”とインターネットを繋げて、生活をサポートすることを一般的に「IoT(Internet of Things)」と呼びます。
ここではIoTを利用した高齢者見守りサービスについてご紹介します。
自宅見守りサービス
最近ではSoftbankやニフティといった大手のIT企業が、IoT技術を活用した自宅見守りサービスの試験や導入を始めています。
また地域においても、IoTへの取り組みが存在します。埼玉県熊谷市の福祉ネットワークでは、ニフティが提供しているサービス「おへやプラスPRO」の実証実験に協力しています。「お部屋プラスPRO」は電話で話しながら遠隔でエアコンの電源を入れるなどの操作が可能です。このシステムは高齢者の自宅にセンサーと通信機器を導入し、室内の湿度や温度が分かるようにします。そして、事業のスタッフは湿度や温度などの情報から、高齢者宅に電話をかけ「室温が高くなっているので、エアコンをつけますね」と本人の健康状態などを確認しながら室内が過ごしやすい環境になるよう、エアコンなどの家電製品の調節するのです。
電球を使って見守るサービス
2016年8月には、スマートフォンの開発を手掛けるボクシーズ株式会社と、通信事業を手掛けるビッグローブ株式会社が協力して、「つながるライト」と呼ばれるIoT対応電球を利用した見守りサービスの実験が開始されました。
つながるライトでは、トイレやお風呂の電球をIoTに対応した電球に変更することで、電気の使用状況やデータを見守り者に送信することができます。
人の動きや生活音で見守るサービス
富士通株式会社では、2016年11月より「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE(フジツー アイオーティ ソリューション ユビキタスウェア 居住者の見守りソリューション」というサービスが提供されています。
このソリューションでは、センサーを活用して「生活音」や「人の動き」を捉えて居住者の生活状況を把握できます。生活の様子はカメラ撮影も会話の録音もしないためプライバシーを守りながら見守ることができます。
また、異常が疑われる場合は看護師が常駐するコールセンターに通知がいき、状況に応じて現場に駆け付けたり、家族へ連絡したりします。
最近ではIoTを利用したサービスは幅広く、今後もサービスを提供する企業が増えていくことが予想されます。
高齢化社会が進む現代において、高齢者が安心して住み続けられる住宅づくりに対するニーズが高まっています。今後ますます、様々なサービスが展開され、サービスの質も向上していくでしょう。
周りに高齢の方がいらっしゃる場合は、その方がどのような生活をするのかを考え、ライフスタイルに合った高齢者見守りサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)