介護ベッドの購入・レンタルを考えるあなたへ 注意したいポイント
2016.12.21
介護生活を送るうえで、一般用のベッドはやや使い辛かったり、介助する側も体力的に負担がかかったりしてちょっと大変。やはり便利な介護専用のベッドがいいですよね。
では、介護ベッドを選ぶ際のポイントとは?購入するのとレンタルとではどちらがお得?現在介護ベッドの準備を考えている人にお教えしましょう。
レンタルならばずっとお得になることも
最近の介護ベッドは電動モーターによって角度や高さを調節するため、「電動ベッド」「電動介護ベッド」とも呼ばれます。スイッチ一つでベッドの高さや背上げの調節などが簡単に操作できる電動の介護ベッドは、利用者だけでなく介護者も負担が軽く、従来と比較して大変便利になりました。
ちなみに、介護ベッドは「福祉用具貸与」の対象になっていて、レンタルならば介護保険適用内となり、要介護度2以上の人は1割~2割の額の負担で済みます。対して購入する場合は、介護保険の対象外となって全額負担になります。
つまり、利用者の介護度にもよりますが、購入よりもレンタルの方がずっとお得。ただ今後の法改正によっては、要介護度2でも自己負担になる可能性もあり、あらかじめ注意しておくべきかもしれません。
モーター数とチェックポイント…介護ベッドの選び方は?
介護ベッドを選ぶ際は、まず「モーター数」から選ぶ必要があります。
介護ベッドは電動モーター数の種別で4種類あり、その数によって機能が異なります。利用者の要介護度や体調に適応したものを選んでください。
・1モーター式
ベッドの高さ調整、もしくは背上げ調整を同時に動かす機能のどちらか1つ。軽度の利用者向けです。
・2モーター式
ベッドの高さ調整、および背上げ・ひざの高さ調整機能付き。初めての人に選択されることが多い様式です。
・3モーター式
ベッドの高さ調整、背上げ、ひざの高さ調整がそれぞれ別々に稼働できる、機能性の高い洋式です。
・4モーター式
従来の機能に加え、自力で寝返りが打てない人のための機能として、ベッドが左右に傾いて床ずれを予防する「寝返り機能」があります。
以上の4種類の中では、2モーター式か3モーター式が一般的に選択されることが多いようです。
モーター数が決まったら、さらに以下のポイントもチェックしましょう。
・ベッドの大きさ
幅、長さ、高さの面で利用者の介護に適したサイズを選びましょう。要介護者の体格に合わせるだけではなく、部屋の間取りや、介護者にとって介護しやすいか?など多角的に考えましょう。
・安全装置
安全バーなど、事故を防止する安全装置が付いている種類といない種類があります。気になる方は安全装置が付いているタイプを選択しましょう。
・マットレス
床ずれ予防の体圧分散タイプ、エアーマットなど、マットレスも種類は様々です。各種をよく比較検討してみてください。
介護ベッド利用・レンタルまでの流れ
次に、介護ベッドのレンタル利用を決めてから実際に利用するまでの流れをご紹介しましょう。
(1)ケアプランの相談
ケアマネージャーに福祉用具利用の相談をする際、どのような介護サービスを受けるかケアプランを相談します。(2)介護ベッドの選定
専門相談員から利用に適したアドバイスを受けます。選ぶポイントは前述の通りです。
(3)申し込み
内容に納得したら決定。気になる点があれば、遠慮せずに質問しましょう。
(4)納品
納品時は、利用者に合わせた調整と適合確認を専門員がしてくれます。
(5)説明~契約
納品後、介護ベッドの使用方法の説明を受けます。その後、契約内容と重要事項の説明があり、問題なければ契約します(サイン・捺印)。さらに当月分のレンタル料金を納めて契約は完了です。
気になる介護ベッドのレンタル料金は?
最後に、介護ベッドのレンタル料金(介護保険利用時の負担額)について。
介護ベッドの月額レンタル料金は、モーター数などの機能やメーカー単位で若干の違いはありますが、だいたい月800円~1,300円という価格帯です。また、合わせて使用するマットレスは機能に応じて月100円~300円になります。
購入しようとすると、例えば3モーターのものであれば10万円以上はするため、レンタルはとても安いですね。長期間のお付き合いになる介護ベッドですから、レンタルを始めるにあたってはよく検討して、よりよいものを選びたいですね。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)