入浴が難しい方にオススメの入浴介助サービス、訪問入浴ってなに?
2016.11.30
自宅で生活をしている要介護者の方は多くいます。しかし、自宅で生活できると言っても、入浴が難しいという要介護の方も珍しくありません。
そんな方に向けた、「訪問入浴」という便利な入浴介助のサービスがあります。 ここでは、訪問入浴の概要と利点や料金などについてご紹介します。
訪問入浴とは
要介護状態となって1人でお風呂に入れなくなった場合、家族による入浴介助等の支援以外では訪問介護による入浴支援やデイサービスなどの施設で入浴をするのが一般的です。しかし、これらが難しい場合に利用したい入浴介助のためのサービスが訪問入浴です。 訪問入浴は専門のスタッフが3人1組で行われます。(要介護・要支援者の状態によっては2人1組の場合もあります。)
訪問介護でお風呂が困難な理由には、入浴環境(自宅のお風呂の設備など)が厳しくてお風呂に入ることができなかったり、訪問介護の人数では体を支えることができないといったものがあります。 また長時間他人と一緒にいる環境が苦手であったり、外に出られない事情がある場合などでデイサービスでなく訪問入浴を利用する方が多くいます。
訪問入浴のメリット
・浴槽を持ってきてくれる
訪問入浴は浴槽を持ってきてくれるのが一般的です。用意された浴槽は浅く、寝たままでもお風呂に入ることができる工夫がされています。そのため、自宅のお風呂の改装が困難な場合でも訪問入浴はおすすめです。
・必要な場合は看護師がついてきてくれる
訪問入浴は人員について規制があり、看護師を配置しなければいけない場合があります。 訪問入浴にきた看護師は、入浴前のバイタルチェックや身体の状態など、さまざまな確認をしてくれます。血圧が高いなど懸念点がある場合は、安全に入浴できるかどうかを主治医に確認を取ってくれるため安心です。
またサービスを利用する前に、主治医が要介護者の状態を診て「看護師がいなくても大丈夫」と判断した場合は、介護職員のみで来ることもあります。この場合は利用料金が5%、割引かれることもあるようです。
訪問入浴の値段(一般的な例)
訪問入浴は、介護状態やサービスの内容で料金が変化しますので、以下の費用は目安としてみてください。
【要支援1・2の場合】
≪全身浴≫
看護師1名・介護職員2名の場合:約860~1,000円
介護職員2名の場合:約820~950円
≪部分浴/清拭≫
看護師1名介護職員2名の場合:約600~700円
介護職員2名の場合:およそ600円前後
【要介護1~5の場合】
≪全身浴≫
看護師1名・介護職員2名の場合:約1,260~1,500円
介護職員3名の場合:約1,196~1,425円
≪部分浴/清拭≫
看護師1名・介護職員2名:約880~1,010円
明記した金額は、介護保険利用(保険給付の1割負担分)した場合の金額であり、また事業者や地域によって異なります。
入浴は体の血行を促進し、肌の色つやを良くするだけでなく、床ずれの予防や解消につながります。また入浴することでリラックス効果を得ることができ、その後の睡眠の質を向上してくれます。
入浴は要介護者の気分転換にもなるため、できる限り大切にしたい習慣です。訪問入浴は、家族で入浴介助をしていた場合の負担軽減にもなります。 入浴介助等で悩みを抱えている方は、ぜひ利用してみてください。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)