11月11日は介護の日 せっかくなので介護保険制度に関する歴史を勉強しよう
2016.11.11
日本には様々な記念日がありますね。その中でも11月11日の「介護の日」は、介護に関わっている人だったら覚えておきたい記念日です。
2015年の介護法案改正はよく話題になっていましたが、ではそれまでの福祉法案はどういう流れだったのか…?
今まで知らなかった人も、せっかくなのでこれを機会に勉強しましょう。
ご存知でしたか?「いい日、いい日」
毎年11月11日は「介護の日」です。
超高齢化社会の今、介護に関わる人たちと地域社会が交流を図って、多くの人たちが介護についての理解を深められるように、という趣旨で制定されました。
厚生労働省によると、
ということで11月11日が介護の日となりました。
この日は全国各地の自治体や介護施設で啓発イベントが催されます。介護に関連したパネル展「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」を念頭に、「いい日、いい日」にかけた覚えやすく、親しみやすい語呂合わせとしました。示や講座、クイズ大会、体験発表など、多彩な内容で大いに盛り上がります。
「介護の歴史」を振り返ってみると…
そこで今回は、介護の日を良い機会にして、日本の介護の歴史(1970年代以降)について学んでみましょう。 11月11日を介護の「これまで」と「これから」を考える日にしてみてはいかがでしょうか?
そもそも日本が社会福祉に積極的に動き出したのは1973年。老人医療費の無料化など数々の福祉政策が導入されたこの年は「福祉元年」と呼ばれています。
今後高齢者が増えると予測されたことで医療費の無料化が導入されましたが、当然医療費が莫大に上がり、また高齢化が更に進んだことで財政の負担になってきました。高齢者がどんどん病院に移った結果、「老人病院」と呼ばれるほど高齢者の多い病院までできてしまいました。
そこで今度は医療費を削減する動きに変わります。
それが1982年の老人保健法。今の介護保険制度にも引き継がれているような、一部負担に変わり、その他にも高齢者が健康を維持するための「予防・リハビリ」に関する施策が新たに追加されています。この頃から介護に重点が置かれるようになります。
1989年には「ゴールドプラン」という施策が立案され、90年から99年まで実行されました。高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略とも呼ばれ、特別養護老人ホームの整備やデイサービス・ショートステイといったサービスの充実が図られました。
この89年という年は消費税が導入された年でもあります。消費税によって確保された財源は福祉サービスへと流れたわけです。更に進んだ高齢化社会に対応し、1994~99年の「新ゴールドプラン」、さらに2001~05年の「ゴールドプラン21」と、社会福祉対策の長期計画が進められました。
上記のような介護への動きはありましたが、止まらない高齢化による要介護の方への対応の限界や将来への不安の増大、また従来の制度では対応範囲が限られるという点などから大きく介護制度が動き、1997年に介護保険法が成立しました(2000年に制度スタート)。
それまでは行政側主導のため事業者の選択ができないなど、利用者には使いづらい制度でしたが、直接事業者を選べるようになりました。また、その事業者も自治体や社会福祉法人に限られていましたが、民間企業も参入できるようになったため、サービスが多様化し質も上がりました。
その後も介護保険制度の大きな改正は5年置きに続き、最近では2015年に改正が行われました。
本サイトでも紹介した、特養の要介護に関する入居条件の変更や(こちらの記事を参照)、自己負担割合の変更(こちらの記事を参照)などがその改正内容です。
まだまだある!こんな記念日
これまでの日本における介護の流れを見ると、最近の介護に関するニュースも違った見方ができるかもしれませんね。
最後に、「介護の日」以外で、介護福祉に関連した記念日を紹介します。
・9月15日「レクリエーション介護士の日」(レクリエーションに興味のある人が集まってイベントを開催)
・10月10日「転倒予防の日」(転倒予防啓発活動の一環として制定)
・12月12日「杖の日」(杖のPRと普及活動)
・6月5日「ロコモ予防の日」(6と5で「ロコモ」と「老後」の語呂合わせ)
などがあります。
ご近所でもしイベントがあったら、是非参加してみてくださいね。
きっと介護に関する理解が深まります。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)