老人ホームを選ぶ前にご家族で話し合うべきポイントとは
2016.7.1
介護施設に入居される前に、ご家族で行うべき重要な過程があります。それは話し合いです。ご入居者本人とご家族が話し合った上で、お互いの希望や条件をすり合わせて入居を決めていきましょう。
ご入居者とご家族の認識にズレが生じて「家族の独断で入れさせられた」と言われる状況にならないようにするためにも大事なステップになります。では、話し合いの際にどのようなポイントを押さえるべきなのでしょうか。
ご入居者とご家族で決めていくべき内容
ご家族とご入居者本人との話し合いでは、施設に関する条件や内容を決めておくことが大切です。下記に項目を記しますので参考になさってください。
【施設の選び方・入り方】
- ・入居者自身が施設を選ぶか、家族に任せるか
- ・入居のタイミングは元気なうちか、介護を必要とするようになってからか
- ・施設に入るまでは自宅で生活するか
【施設の場所に関する条件】
- ・入居者の自宅から施設までの距離は?
- ・豊富な自然に囲まれているか。景色は良いか?
- ・家族が施設に通いやすいか?(交通の便など)
【サービス内容に関する条件】
- ・日常の安否確認や見守りの有無
- ・栄養バランスが整った食事
- ・各個人に合わせた生活支援サービスの有無
- ・職員の態度
- ・医療機関との連携
- ・プライバシーの配慮
- ・通院時の付き添いや外出支援
- ・認知症ケアの有無
- ・看取り看護の有無
【手続きや費用に関して】
- ・身元引受人を誰にするか
- ・費用は入居者本人の資産や年金で賄えるのか
- ・家族はどのくらいの負担を行うのか
入居を嫌がる場合は?
ご家族が勧めても、施設への入居を嫌がる方というのは少なからずいます。まずは「嫌がる理由」について尋ねることが大切です。以下のような理由では、対処法がありますので参考になさってください。
・「家族から孤立させられる」というイメージ
ご入居者が実際に施設の見学を行い、実態を把握してもらうことが大切です。ご家族と離れることに心配な場合は、家から近い距離の施設を優先的に選ばれることをオススメします。
・環境の変化が不安
施設によっては、長年利用してきた家具や身の回りの物を持ち運べる可能性があります。また孤立することが心配な場合には、レクリエーションや食事において他の入居者との交流の機会があることを伝えてください。
・住み慣れた家を離れたくない
高齢者の方にとって長年住んできた家を離れるのは不安なことです。いきなり老人ホームに入居するのではなく、体験入居やショートステイといったシステムを利用してはいかがでしょうか。外泊気分で施設に慣れてもらうきっかけになるはずです。
施設への入居を決める前には、多くの点で話し合う必要があります。事前に話を行うことで、ご入居者とご家族の認識にズレが生じにくくなることでしょう。
ただ話し合いの中では、嘘をついたり隠しごとをするのは避けてください。後々に大きな問題に発展するケースがあります。
またご入居者やご家族の話し合いだけで解決の道が見えない場合は、施設の医師やケアマネージャーといった方の意見を取り入れることをオススメします。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)