この施設入居一時金高すぎる……償却やクーリングオフがあるって知ってた?
2016.6.8
老人ホーム選びをする際に、多くの方が「費用」のことを重視しています。施設によっては、入居する際に払う一時金がかなりの額になるケースがあります。設備やサービス自体には満足だけど、「費用が……」という方は、今回のクーリングオフと償却のお話を是非読んでみてください。
場合によっては「億」超えも
老人ホームを選ぶチェックポイントはいろいろありますが、その中でもやはりお金の問題を外して考えるわけにはいきません。
有料老人ホームに入居するにあたって必要なのが、入居一時金(他に入居金、権利金、入居時費用、施設利用料などの呼び方もあります)。施設によって金額が違っていて、入居時に費用がかからない場合もありますし、数千万円から億を超える例もあります。
この入居時に必要なお金、入居一時金とは一体どんなものなのでしょうか?
「初期償却」は要チェック!
入居一時金とは、有料老人ホームと入居契約をかわした際、終身利用権の費用として事前に一定期間分の金額を支払っておくものです。かつてトラブルが多発したことを受けて、償却制度やクーリングオフ制度などの規則が追加で設けられました。 入居一時金の内訳は、初期償却金(返還されない)とそれ以外に分かれます。 入居一時金には一定の償却期間があり、その期間が終わるまでに何らかの理由で同ホームを退去する場合には、初期償却金を差し引いた残額分が返還されます。 大半の有料老人ホームでは、まず入居時に初期償却金として2~3割を償却、その後は償却期間5~10年ごとに均等に償却しますが、ホームによっては全額を初期償却する施設もあるなど、期間・償却方法は一律ではありません。ホームを選ぶ際には要チェックです。
負担のかからない選択をしましょう
またクーリングオフ制度は、入居後90日以内に死亡、または何らかの理由で退去することになった際、入居一時金が家賃を除く全額返還されるシステムのことです。ただし利用日数分の料金は日割り計算して請求されます。 有料老人ホームを選ぶにあたっては、決して高額な施設が良い施設だとは限りません。家族に経済的負担がかかってしまわないよう、無理をせず余裕を持って入居一時金を支払えるような選択がベストでしょう。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)