時間帯別の効果を紹介! 高齢者の健康維持に「ラジオ体操」のすすめ
2016.6.3
ラジオ体操は、夏休みの風物詩としても知られる健康を促す体操です。場所や対象者を問わずに全身をまんべんなく使う健康的な運動として知られています。近年では高齢者の健康維持の方法としても注目され始めました。
今回は、ラジオ体操が身体にもたらす良い影響と時間帯別の効果を紹介します。
ラジオ体操の効果
・不意の事態に備える身体づくり
ラジオ体操は、曲げる・ねじる・伸ばす・ジャンプといった動きを取り入れた13種類の運動で構成されています。そのほとんどが普段の生活ではあまり行われないような動きです。そのため、不意の怪我や事故を予防するための身体づくりとして効果的とされています。
・血液やリンパの循環機能を促進
ラジオ体操を行って全身をまんべんなく動かすことで、筋肉が伸びたり縮んだりします。筋肉の伸縮にあわせて血管内の血液やリンパの循環が促進されるため、老廃物の排出や冷え性の解消に繋がるのです。またリンパの流れが良くなることで、免疫力が向上し、細菌やウイルスが体内に侵入するのを防ぎやすくなります。
・筋力アップ&代謝のアップ
ラジオ体操は普段動かさない筋肉を含めて、約400種類もの筋肉をバランス良く刺激し、筋力をアップしてくれます。筋力が増えることで、心臓から全身にかけて血液を送り出す能力が高まります。そのため、新陳代謝が良くなります。
時間帯別の効果
ラジオ体操と言えば早朝に行うイメージでしょう。ですが、時間帯によってラジオ体操の効果が変わることが分かっています。 時間帯別のラジオ体操の効果を以下で紹介します。
【朝の効果】1日の生活を快適にする
きたばかりというのは、筋肉や神経が鈍っているものです。血液も内臓などに集中しているため、頭の意識がはっきりとしません。目覚めたばかりにラジオ体操を行うことで、神経の動きを活性化し筋肉や脳への血の巡りを良くしてくれます。
通常、起床後に脳が目覚めるまで約3時間かかるとされています。対して、ラジオ体操はわずか3分でほぼ同じ状態にしてくれるため、とても効率的だと言えます。
【昼の効果】眠気防止と精神安定
お昼ご飯を食べた後にラジオ体操を行うことで眠気防止に繋がります。 お昼ご飯を食べた後にラジオ体操を行うことで眠気防止に繋がります。 食事の後は、糖質や炭水化物を吸収するために血糖値が急激に上昇します。これが眠気を誘発するのですが、食後にラジオ体操を行うことで血糖値の上昇が緩やかになり眠気を抑えてくれます。
また、ラジオ体操のように単調なリズムで運動を行うと、セロトニンという物質が体内に分泌されます。セロトニンは安定した精神を保つために有効な物質ですので、抗うつなどにも効果を発揮するのです。
【夜の効果】寝つきを良くする
ラジオ体操を行うことで、体内の温度が上昇します。就寝から2時間前に行うことで、体内温度の上昇により快眠へと繋がります。入浴にも同様の効果があるため、体操の後はお風呂の時間にするという流れがより効果的かもしれません。
ラジオ体操のカロリー消費量は、体重50kgの人が15分間行うと57kcalであり、速いペースのウォーキングと同程度のカロリーを消費します。加えて、高齢者にとっても効果が大きいとされています。ラジオ体操をする高齢者は、筋力・歩行能力の高さから、健康関連のQOLは国民基準値を上回る結果が出ています。
また疲れにくい身体づくりにも効果があるため、運動不足の方や疲れを感じやすい方は生活の中にラジオ体操を取り入れてみても良いかもしれません。
加えて、高齢者にとっても効果が大きいとされています。ラジオ体操を行なっている高齢者は、筋力・歩行能力の高さから、健康関連のQOLにおいて国民基準値を上回る結果が出ています。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)