高齢者の事故を防ぐ 介護のためのリフォームも介護保険が適用されるって知ってた?
2016.9.28
高齢者が日常生活で最もケガをしやすい場所は、実は家の中。家の中には転倒しやすい場所や構造が沢山あって、高齢者にとって意外と危険なのです。
足腰の弱くなった高齢者がいる家庭では、安全対策が重要です。介護保険を上手に活用した介護リフォームの仕方や必要な金額、条件などをチェックしておきましょう。
我が家でケガをしないために…
転倒による骨折など、高齢者の事故発生場所で最も多いのが「家の中」であることは、以前『高齢者にとって一番危険なのは家の中? 転倒する原因はどこにある?』にて紹介しました
足腰が弱くなった高齢者の場合、安心なはずの我が家でもケガをしてしまうケースは案外多いものです。
そこで、安全かつ快適な生活を送るために、室内の介護リフォームを検討してみるのもいいかもしれませんね。
特に在宅介護生活を送る方は、介護保険の補助を上手に活用した介護リフォームでケガを未然に防ぐ準備を十分心掛けてください。
助成を受けるための3つの条件
高齢者住宅改修費用助成制度によれば、介護保険を利用することによって工事費用は1割の自己負担で済みます(世帯収入によっては2割)。
また、支給限度基準額は20万円となっています。よって1割負担の方は最大18万円、2割負担の方は最大16万円が支給されます。
市区町村によって詳細が異なるため、詳しくは各自治体に確認してください。
助成を受けるにあたっては、「受給対象者(要支援・要介護状態にある人)であること」「助成額の限度(20万円)を超えないこと」「介護リフォームの支援対象となる改修であること」の3条件が該当する必要があります。
ここでいう支援対象の改修内容とは、「手すりの設置」「段差・傾斜の解消」「床材の変更」「扉の取り換え」「便器の取り換え」の5つと、これらに付帯して必要となるものを指します。
本来であれば、ご家族など周りの人が手助けをしながら移動をしていたところを、リフォームの結果1人で移動できるようになるとすれば、介護の負担を軽減することにも繋がります。
つまり、怪我の防止と介護の負担減少の2つに効果があります。
20万円でも十分できる介護リフォーム
では、介護リフォームにかかる費用の相場はいくらぐらいでしょう。
階段では、手すりの取り付けが5万~15万円、足元照明が1~2万円程度です。また段差解消スロープは12万~20万円程度、トイレのL字手すり取り付けは2万5,000~4万5,000円程度となります。
まだまだありますが、このように20万円の支給額でもリフォームはいろいろ可能です。
和式便座から洋式便座へのリフォームなどは20万円を超えることもありますが、その場合は差額を負担することになります。
例えば25万円だった場合、2万円(20万円の1割)と5万円の計7万円で済むということなので、20万を超えたとしてもかなりお得ですね。
もし予算面などでお悩みの方は、担当ケアマネジャーに相談して住宅改修プランを作成してもらうと間違いないでしょう。
記事監修:老人ホーム入居相談員(介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー2級、宅地建物取引士、認知症サポーター)